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2015年Siウェーハ出荷面積は史上最大

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SEMIは、2015年の世界シリコンウェーハ出荷面積が前年比3%増の104億3400万平方インチ、と過去最大になったと発表した。ただし、残念ながらシリコンウェーハの販売額は前年比5.3%減の72億ドルに減少した。

図1 シリコンウェーハの年次推移 出典:SEMI

図1 シリコンウェーハの年次推移 出典:SEMI


シリコンウェーハの面積が2015年は過去最高に増えたものの、価格は大きく下落したことを表している。これまで、ウェーハ販売額が最高の時は2007年で、リーマンショック直前のバブル景気に浮かれていた頃であった。この図を見る限り、ウェーハの販売額は2007年をピークにして以降、下がっていく傾向が続いている。リーマンショックから回復した頃は販売額も回復し始めていたが、2011年以降はずっと下降線をたどっている。

これをどう見るか。半導体産業はかつて、電子産業の企業だけが半導体のユーザーであったが、電子産業から製造業全般へ広がり、IT産業、さらには電気工業、化学工業へと広がっていった。このため半導体チップの数は毎年、増えてきている。この勢いはとどまらず、数は伸び続けている。市場調査会社のIC Insightsは、2015年の半導体チップは8400億個出荷され、2018年には1兆個を突破すると予測している。このためにはシリコンウェーハ面積はやはり増え続けるだろう。

しかし、チップの平均単価が一定なら販売額も伸びるだろうが、単価が下がれば、数量が増えても販売額も増える訳ではない。同様にシリコンウェーハの単価が下がり続ければ、数量が多少伸びたとしてもウェーハ販売額が下がることはありうる。2015年がまさにそのように推移した。

では、単価はなぜ低下したか。もちろん供給過剰だったわけであるが、その要素は何か。これまでは、2インチから3、4、5、6、8、12インチへと大口径化し、そのたびにウェーハ価格は上がり、ウェーハ販売額の総額は上がる方向でやってきた。ところが、ここ数年、300mmから先の大口径化は足踏みしている。

つまり大口径化が進まないものの、ウェーハ面積は増えているということは、ウェーハの平均単価が下落していることを示している。おそらく、単価の高い300mmの伸びが緩み、安い200mmが大きく伸びたためではないだろうか。

同じような現象が半導体チップにも起きている。半導体チップの数量が増えたものの、半導体チップの販売額は低下している。このことはチップの平均単価が下がっているのではないだろうか。この状況は供給過剰で、需要が少ないために起きている可能性もある。さもなければ、開発が盛んで、歩留まりの悪いチップが多数生産されているのだろうか。少なくとも最先端の16/14nmや10nm FinFETプロセスのような半導体が多数作られているとは思いにくい。

かなり乱暴な言い方をすれば、半導体チップがたくさん出荷され供給過剰だったために平均単価が下がり、販売額は少し減少したといえるだろう。

(2016/02/16)

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