スマホ用アプリケーションプロセッサでQualcommに陰り
直近(2015年第1四半期)のスマートフォン用アプリケーションプロセッサの市場シェアを英市場調査会社Strategy Analyticsが発表した。それによると1位は依然としてQualcommだが、そのシェアを昨年同期の55%から47%へと落とした。

図1 2015年1Qにおけるスマートフォン用アプリケーションプロセッサの市場シェア 出典:Strategy Analytics
これによると、2015年第1四半期におけるアプリケーションプロセッサ市場は前年同期で20%成長し、53億ドルとなった。図1にはその他となっているが、第3位はMediaTek、次はSamsung LSI、そして第5位がSpreadtrumである。
Qualcommがシェアを落としたのは、ハイエンドでフラグシップのアプリケーションプロセッサSnapdragon 810の採用が期待よりも遅かったためではないかと見ている。しかし、ミッドレンジおよびローエンドのSnapdragon 600、400、200ファミリーは堅調に前年同期比33%増を示したとしている。ただし、Qualcommは最近レイオフを計画していると伝えられており、対象者は社員の10%とも15%ともいわれている。その規模は3000人、4700人にも上る。
図1のその他の分類の中で、前年同期比で3ケタ成長を遂げたのは、中国のHiSiliconとIntel、Samsung LSIだという。特にSamsungは14nmプロセスを使ったプロセッサExynosがGalaxy S6とS6 Edgeスマホに使われたことが大きかった。
タブレット用のアプリケーションプロセッサは、従来通りAppleがシェア28%でトップ、2位は19%のQualcomm、第3位が16%のIntelとなっている(図2)。その他、4位がMediaTek、5位Samsung LSIだという。nVidiaはもはやトップファイブから姿を消した。
図2 2015年1Qにおけるタブレット用アプリケーションプロセッサの市場シェア 出典:Strategy Analytics
Intelは、Atom X3チップが売れているようだ。Intelの全タブレット用アプリケーションプロセッサの出荷の70%がAndroidベースとしているという。残りはx86アーキテクチャであろう。
タブレット用のアプリケーションプロセッサは、2015年第1四半期に出荷されたチップの1/4がベースバンド回路も集積しており、特にQualcomm、MediaTek、Spreadtrumから出荷されている。いずれもモデム技術に長けたメーカーである。