世界のアナログ半導体ランキング、トップTIがさらに伸ばす
アナログICの世界トップテンランキングが発表された。Texas Instrumentsのトップはますます強固で揺るがない。2位はSTMicroelectronics、3位Infineon Technologiesという順である。日本勢は残念ながら10位にルネサスエレクトロニクス1社が入っているだけだ。
表1 アナログICの世界トップランキング 出典:IC Insights

TIは、これまでいろいろな企業の買収によって成長してきた。古くはBurr BrownやChipCon、2011年にはNational Semiconductorを買収した。企業買収だけではなく、工場だけ、あるいは製造装置だけの購入もあった。生産能力を強化するために、2010年にSpansionの会津若松の2工場を買収したり、2009年には経営破たんしたQimondaから300mmの製造装置を購入したりしていた。
買収によって、TIはBurr Brownから高精度なアナログを、ChipConから低消費電力のRFを、そしてNationalからパワーマネジメントをそれぞれ強化した。生産能力を上げるため、TIは、アナログ半導体に300mmラインを導入した。このことで、ウェーハ1枚当たりのチップ数を増やし、最大40%のコストダウンを図ったという。
買収に次ぐ買収により、TIのアナログポジションは強化され、今や2位STに3倍近い差をつけるようになった。
トップ10社の中で、2014年の伸びが最も大きかった企業は、Skyworks Solution社であり、42%増という驚異的な伸びを示した。これは、同社のRF技術がAppleのiPhone 6に使われたことが原因であろう。同社のRF製品はiPhoneだけではなく、Samsungなどのスマートフォンのサプライヤーにも入っている。iPhone 6にはSkyworksの送信用パワーアンプが複数個搭載されている。
Skyworksの次に大きな伸びを示した企業は、21%増のNXP Semiconductorsである。セキュリティを確保した近距離無線のNFC(Near Field Communication)チップがAppleのiPhone 6だけではなく、さまざまなスマホに搭載されるようになったことで、NXPは大きな伸びを示した。