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DRAMのビット成長率、20%台時代に突入

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DRAMのビット成長が明らかに鈍ったことを、市場調査会社IC Insightsがレポートした。1995〜1999年には83%の年平均成長率(CAGR)だったが、2010年から2014年に至る最近の5年間には36%に減少する。ただし、2014年は見込みである。

図1 DRAMビット成長率の推移 出典:IC Insights

図1 DRAMビット成長率の推移 出典:IC Insights


2000〜2001年のITバブルや2009年のリーマンショックの影響を減らして、時代を大きく区切っている。その間は変動があるものの過渡期といえよう。図1は高成長から低成長へ推移している状況を示している。2010年、2011年はその不況からの回復により、それぞれ47%、51%と上がったが、2012年からは30%を切る成長率で推移しており、2014年も26%程度になると見込んでいる。

IC Insightsは、成長率の鈍化をパソコンの成長率の鈍化とリンクすると見ている。2014年も標準的なデスクトップとノートブックのパソコンは出荷数が減少気味に推移するため、DRAMのビット成長も昨年並みと予想する。

それでも、2014年の26%という数字は成長を続けることを表しているが、DRAMがモバイル端末とサーバーに多く使われるようになっていることが背景にある。標準的なパソコン用途が減少し、そのDRAMのビット容量は増えないが、モバイル用DRAMの容量は増えていく。2012年には標準パソコン用DRAMのビット数は2012年に初めて50%を割り、2014年には31%まで下がると見ている。モバイル端末用のDRAM容量は、標準パソコン用DRAM容量を今年中に超えるとこの市場調査会社は見ている。

サーバー分野では、64ビットシステムが主流なため、DRAMのメモリアドレス空間は2の64乗バイトまで可能になる。Intelの最新プロセッサHaswellに集積されている高速メモリコントローラは6Tバイトまでサポートできるという。サーバー分野では仮想化技術(1台のコンピュータをいくつかに分割して異なるOSやCPUがあるように見せかける技術)がふんだんに使われるため、サーバーの台数は決して増えないが、メモリ容量は着実に増えていく。

(2014/08/01)

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