2014年の半導体製造装置市場、Q3の低迷を考慮しても20.8%増
SEMIは米国時間7月8日から始まるSEMICON West 2014に先駆けて記者会見を開き、半導体製造装置の市場予測を発表した(表1)。今年の半導体製造装置の販売額は前年比20.8%増の384億ドルになり、2015年はさらに成長し10.8%増の426億ドルを超えると見ている。
表1 半導体製造装置の市場予測 出典:SEMI
数字は丸めているため合計値とパーセンテージが一致しない場合がある
製造装置はここ2年マイナス成長であった。今年20%を超える成長をドライブするのは、20nm以下のプロセス、3次元NANDフラッシュプロセスへの投資に加え、DRAMや先端のパッケージ技術などへの投資だとSEMIは見ている。特にウェーハプロセス装置は2015年も大きく伸びて11.9%増と予測する。
地域別には、2013年の実績は台湾が最も大きく、105億7000万ドルだった(表2)。2014年にはさらに9.5%増の115億7000万ドル、2015年には6.1%増の122億7000万ドルと、装置市場を台湾がけん引する。2014年には、その次が北米で、前年比35.7%増の71億5000万ドル、第3位が韓国で33.0%増の69億4000万ドルとなっている。2014年の伸び率が最も大きいのが中国で、47.3%増であり、金額は49億8000万ドルと日本を抜くと見られる。中国では、従来のSMICだけではなく、外資のIntel、LG、Samsungが中国内にプロセス工場を稼働させており、これらの投資が大きい。LGは、昨年火災事故を起こしたため、ライン増強のための投資が見込まれている。
ただし、製造装置メーカーは、第3四半期には投資が止まるという見通しを6月上旬に立てていた。その直前の6月3日にSEMIが今年の見通しを24%増と発表していた(参考資料1)。SEMIはその値は高すぎると判断したのだろう。今回の見通しは若干、下方修正した数字になっている。
表2 地域別の装置販売額予測 出典:SEMI
地域別の市場から見えてくることは、ファウンドリ主体の台湾(TSMCやUMCなどの大手)がけん引し、プロセッサメーカーのIntelとファウンドリのGlobalFoundriesが拠点とする米国が続いていることだ。韓国は巨大なSamsungに強く依存する。これらの企業が設備投資の大きな部分を占めることがこの表2には反映されている。
パッケージング工程での投資に関しては伸び率がさほど大きくはないが、台湾には大手のOSAT(アセンブリとテストの専門請負業者)であるASE(日月光半導体製造)がいる。しかし、昨年暮れに工業用水を未処理のまま排水したことが発覚し、苦しい立場に置かれている。この対応次第で、後工程の設備投資額は大きな影響を受けそうだ。
参考資料
1. Strengthening Recovery: Fab Equipment Spending – 24% Increase in 2014, Possible Record I 2015