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NANDフラッシュの勢力図に変化あり

2014年の第1四半期におけるNANDフラッシュの売り上げでは、1位のSamsungが21億7500万ドル、2位の東芝は15億4770万ドル、3位のSanDiskは13億6700万ドルであった。これは、シンガポールを拠点とするメモリの市場調査会社DRAMeXchangeが発表したもの。

図1 世界のNANDフラッシュ売り上げの推移 出典:DRAMeXchangeのデータを元にセミコンポータルが加工

図1 世界のNANDフラッシュ売り上げの推移
出典:DRAMeXchangeのデータを元にセミコンポータルが加工


NANDフラッシュのランキングでは、これまでランキング表に出てこなかったSanDiskの販売額が明確になったことで、東芝とSanDiskを合計するとSamsungを抜いていることがわかった(図1、表1)。また、昨年の第2四半期にはSK Hynixの販売額がMicronよりも多かったが、それ以降は低迷し、今はMicronに大きな差を付けられている。

スマートフォンやタブレット、モバイルノートPC向けのNANDフラッシュは、季節要因により第1四半期の売り上げがやや低迷している。NANDフラッシュ大手6社全体の売り上げは前四半期比6.6%減で、市場が軟化している。DRAMeXchangeは、やや供給過剰の状態は第3四半期まで続くと見ている。


表1 2014年第1四半期のNANDフラッシュメーカーの売上額 出典:DRAMeXchange

表1 2014年第1四半期のNANDフラッシュメーカーの売上額 出典:DRAMeXchange


Samsungは、高密度のメモリカードとeMCP(Embedded multi-chip package)、SSD製品向けの売り上げが大きい。第2四半期にはハイエンドのスマホの出荷が軟化しても、eMMC(Embedded multi-media card)などの製品と企業向けSSDが好調で、第2四半期の伸びは前四半期比15%増以上を見込んでいる。同社は19nm技術を使ったPC向けのeMMCとeMCP、SSDを製造しており、5月に稼働を始めた西安工場では3D NANDフラッシュを製造する。3D NANDフラッシュのSSDを米国、欧州、中国の大手顧客にテスト用にサンプル出荷している。

DRAMeXchangeによると、東芝は19nm製品が第2四半期には50%に達する予定で、eMMCとeMCP製品の量産を始めた。第2四半期には19nmのTLC(triple level cell)ベースのeMMCとeMCP SSDに力を注ぎ、市場シェアを取り戻すつもりだと見ている。四日市工場Fab 5に建設中の第2棟は第3四半期に完成し、第4四半期に装置の搬入を進め、1z nm製品と3Dメモリの量産を2015年第1四半期に開始する予定だ。

SanDiskは1y nm製品の生産が第2四半期に半数を超え、19nm製品は企業向けSSDなどに振り向けられる。1z nmの試験生産は第4四半期に始め、3D NANDの量産は2016年以降になる、とDRAMeXchangeは分析する。SanDiskのビット成長は2014年には25~35%増になりそうだという。

(2014/07/4)
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