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2014年の世界半導体産業は6.5%の成長に、WSTSの予測

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WSTS(世界半導体市場統計)の最新予測が発表された。これによると、2014年は6.5%成長と見込み、2015年は3.3%増、2016年は4.3%増と緩やかな成長を継続するだろうと見ている。2014年における製品別の成長率ではアナログが9.1%増、次がメモリの7.5%増、そしてロジックの7.1%増と続き、MOSマイクロは0.9%の微増と予測した。

図1 世界半導体の2016年までの見通し 出典:WSTS

図1 世界半導体の2016年までの見通し 出典:WSTS


2013年は、前年比4.8%増の3056億ドルと過去最高を記録し、2013年11月での4.4%増という見通しを上回る結果になった。昨年の秋ごろから半導体市場は上向いている。

日本市場は、一昨年から今年にかけて、円高から一転、円安、と為替レートに振り回されてきた。2014年はやや落ち着き、このWSTS予測では、1米ドルは2013年97.6円、2014年以降は102.8円としている。2013年の円ベースでの日本市場は3.7%増の3兆4000億円となった。2014年は円ベースで4.0%増だが、ドルベースでは1.3%減となっている。2015年、2016年はそれぞれドルベースで2.0%増、3.0%増となった。

製品別ではどうか。2014年では金額順に、ロジックが前年比7.1%増の921億ドル、メモリは同7.5%増の721億ドル、MOSマイクロが最も伸び率は小さく同0.9%増の592億ドル、アナログは同9.1%増の438億ドル、となっている。


図2 IC製品別の市場予測 出典:WSTS

図2 IC製品別の市場予測 出典:WSTS


ただし、ロジックの分類の中には、モバイル機器用のアプリケーションプロセッサも含まれている。スマートフォンやタブレット用のアプリケーションプロセッサにはCPUに加え、GPU(グラフィックプロセッサ)やビデオプロセッサ、オーディオコーデック、その他の周辺回路を集積している。Qualcommのようにモデムに強い企業はさらにモデムも集積している。AMDも最近はAPUを開発し、Intelもモバイルプロセッサと称するAPUを開発している。市場調査会社のIC Insightsは、「マイクロプロセッサ」という範疇の中にAPUも入れているが、半導体チップの役割を考えるとAPUを「ロジック」という範疇に入れることには無理がある。MPUとAPU、MCU(マイクロコントローラ)を合わせて、プログラムドロジックあるいはプロセッサと呼び、それ以外のランダムロックとを区別した方が良い時期に来ている。さもなければプロセッサの進展とロジックの進展が交錯して世の中のトレンドが見えづらくなる。

(2014/06/05)

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