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世界のプロセッサランキングをIC Insightsが発表、1位はやはりIntel

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2013年世界のマイクロプロセッサメーカーのトップテンランキングが発表された(表1)。米市場調査会社のIC Insightsによると、トップは依然としてIntelだが、2位はQualcomm、3位にはSamsung(Apple含む)が入った。

表1 世界MPUメーカーのトップテンランキング 出典:IC Insights

表1 世界MPUメーカーのトップテンランキング 出典:IC Insights


IntelとAMDはx86アーキテクチャを採用しており、このパソコン用プロセッサメーカー2社は共にマイナス成長だった。これまで、MPU(マイクロプロセッサ)の市場はこの2社で占められており、ランク付けする意味がなかった。WSTS(世界半導体統計)では、スマートフォンやタブレットなどのアプリケーションプロセッサを「ロジック」と分類しており、MPUという範疇にはない。しかし、アプリケーションプロセッサは、CPUにGPU(グラフィックスプロセッサ)やビデオコーデック、オーディオプロセッサなどを搭載したSoCである。CPUを制御だけではなく演算機能としても使っているため、マイクロプロセッサという範疇に入れる意味はある。

IC Insightsは、スマホやタブレット用のアプリケーションプロセッサもMPUとして扱うようになってきた。その結果、今回初めてランキングという形式によって、どのメーカーが成長しているか、あるいは強いのか、という判断ができるようになった。

プロセッサ市場は、全部で586億ドルとなり、ICの全製品売り上げの22%にあたるという。表1によると、Intel、AMD以外は全てARMコアベースのアプリケーションプロセッサメーカーであった。プロセッサ売上額の69%は、パソコンやサーバー組み込みシステムであるが、2012年は74%を占めていた。モバイル端末向けのアプリケーションプロセッサが伸びていることを反映している。2013年に、タブレット向けのプロセッサは、プロセッサ全体の4%(前年)から6%へと伸び、スマホ用プロセッサは前年の22%から25%へと増えた。

IntelはARMベースのプロセッサと競合しており、x86ベースのAtomプロセッサコアを使った低コスト・低消費電力のモバイルプロセッサ(SoC)を出荷している。Intelはかつてアプリケーションプロセッサを手掛けており、その部隊をMarvell Technologyとして外へスピンオフさせたため、アプリケーションプロセッサという言葉を使わず、モバイルプロセッサあるいはSoCと呼んでいる。中身はアプリケーションプロセッサである。

Intelは、IoT(Internet of Things)ビジネスではゲートウェイやサーバー向けのプロセッサに注力しており、センサ部分のプロセッサはARMとすみ分けるようだ。今年の後半には、コード名Broadwellの14nm FINFETプロセス製品を出荷する準備を進めている。2014年にタブレット用モバイルプロセッサ(22nmのAtomベースおよび22nm Core x86アーキテクチャ)を4000万個出荷する計画であり、これは2013年の4倍に相当する。また、AMDは8コアの64ビットARMコアを使った、28nm Opteron A1100サーバープロセッサを計画しており、2014年には出荷する予定である。

表1の中で、最も伸び率の高い企業はトップが前年比42%増の中国のファブレスSpreadtrum社であり、ローエンドスマホ用のプロセッサを設計している。その次が同29%増のQualcomm、3位は同28%増のMediaTekと続く。

(2014/04/30)

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