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スマホ・タブレットがけん引、光/近接センサは2017年まで19%で成長

光/近接センサが急成長している。2012年に5億5510万ドルの売り上げが2013年は41%増の7億8220万ドルに達するだろうとIHSグローバル(旧アイサプライ)は見る(図1)。2017年までにCAGR(年平均成長率)19%という見通しで、この年には13億ドルに到達すると予測する。

図1 光センサ市場の予測 出典:IHS

図1 光センサ市場の予測 出典:IHS


光/近接センサをけん引するのはSamsungとAppleのスマートフォンとタブレット。Appleのセンサ購入額は、2012年に54%増加したが、Samsungのそれは90%増だったという。AppleはiPhone4でRGBセンサと近接センサを導入したが、SamsungはAppleよりもずっと大量にセンサを使っている。もちろん、スマホやタブレットだけではなく、テレビやノートパソコンなどの民生機器や情報機器、ホームオートメーション、医療機器、一般照明、カーナビディスプレイや雨センサなどのカーエレクトロニクスにも使われていく。

ここで述べている光および近接センサにはおよそ3種類ある。一つはスマホやタブレットのスクリーンに入る周辺の光を検出するALS(ambient light sensor)で、スクリーンの明るさを周囲の光に応じて変え、電池寿命を伸ばす目的に使われる。二つ目はRGBセンサ。R、G、Bの光の波長によって色温度を測り、スクリーンのホワイトバランスを補正するために使う。最後の近接センサは、通話を終えるとスクリーンを点灯させるためのセンサ。通話中は電池を長持ちさせるためにスクリーンをオフしておく。

これらのセンサのトレンドとして、ミッドレンジからハイエンドのスマホではALSセンサからRGBセンサへとシフトしているという。また、近接センサはこれからのスマホやタブレットでは、タッチではなくジェスチャーを検出するセンサとして成長していく。SamsungはすでにGalaxy S4にジェスチャー機能を使っており、この先もジェスチャー用の近接センサは伸びるとみている。2017年までのCAGRは44%と極めて高い。

また、いくつかのセンサを一つのパッケージに収めた「コンボセンサ」も多い。SamsungはRGBと近接、さらに赤外線と3つのセンサを1パッケージに収めたコンボセンサをGalaxy SIIIやGalaxy Note 2に搭載している。ただ、RGBセンサ単独で使う用途も多く、フレキシブルに対応する。例えば、Galaxy S4にはジェスチャー用センサとのコンボがないため、単独のRGBセンサを搭載している。RGBセンサを使った信号処理ICとジェスチャーセンサをMaxim IntegratedがGalaxy S4向けに提供しているが、シャープはこの9月にジェスチャー機能を持つコンボICを生産するだろうという。

光/近接センサを供給するトップサプライヤはオーストリアのams(旧オーストリアマイクロシステムズ社)だ。同社は米テキサス州のTaos社を買収したことでこの地位を得た。Appleに納入している。次が台湾のCapella Microsystems社で、ここはSamsungに納入している。さらにカリフォルニアのAvago、日本のシャープがセンサを供給する。トップ2社が光センサ市場の過半数のシェアをとっているとIHSは見ている。

(2013/07/31)
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