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DRAMの平均単価が上昇、年間では前年比28%増の市場に

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DRAMの平均単価ASP(average selling price)が2010年第4四半期レベルにまで戻った。2013年第1四半期の1.97ドルが第2四半期には2.42ドルになり、以降の第3四半期、第4四半期はそれぞれ2.53ドル、2.52ドルと市場調査会社のIC Insightsは予測している。

図1 DRAMの平均単価が上昇 出典:IC Insights

図1 DRAMの平均単価が上昇 出典:IC Insights


DRAMのASPは、昨年はずっと低迷していた。図1によると、2012年第1四半期1.61ドル、第2四半期1.71ドル、第3四半期1.69ドル、第4四半期1.73ドルとほとんど上昇せずに推移してきた。エルピーダメモリが破綻したのは、2012年第1四半期だった。この頃から1年間、単価はほぼ横ばいだった。

しかし、今年の第1四半期に前年比22%増の1.97ドルに上昇、第2四半期は42%も増加し、2.42ドルとなった。IC Insightsによると、第3四半期は50%増、第4四半期は46%増といずれも好調に推移すると見ている。

この背景には、DRAMのサプライヤが、エルピーダをはじめとして減ったことをこの市場調査会社は挙げている。加えて、Micron Technologyがエルピーダと、台湾のPowerchipとProMOSも買収したことで、DRAMサプライヤの数が減り価格をある程度コントロールしやすくなったこともその理由に挙げている。さらに、この1〜2年、DRAMへの設備投資が抑えられ生産能力はほとんど上げられないままに推移してきた。DRAMの売上額に対する設備投資の割合は、2011年には31%あったが、2012年は19%に、2013年は12%に、それぞれ減少してきた。この結果、需要と供給のバランスが改善される方向に向かい、最近ようやく需要が供給を上回るようになってきた。

市場の変化もある。コンピュータ産業は、デスクトップ、ノートブックからモバイルに移っている。従来のデスクトップPCとノートPCの出荷数量は共に落ちている一方で、スマートフォンとタブレットは増加し続けている。DRAMメーカーとしてはいわゆるモバイルDRAMとパソコン用DRAMのバランスを取りながら、モバイルDRAMを増やそうとしている。

DRAMの生産数量は2013年には前年比8%減少すると見られているが、DRAMのASPが通年では40%上昇すると見る。このため、IC Insightsは2013年のDRAM市場は28%増えると予測している。

(2013/07/18)

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