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エリクソン、2018年までのモバイルデータを予測、12年の12倍に増加

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スウェーデンの通信機器メーカーであるエリクソンが2018年までのモバイルネットワークの世界動向をこのほど明らかにした。これによると、モバイルデータトラフィックは2012年から2018年の間に12倍に増加するとしている。直近の2013年第1四半期のデータ量は前年同期比2倍に増えたという。

図1 モバイルデータは2018年に12倍へ 出典:Ericsson

図1 モバイルデータは2018年に12倍へ 出典:Ericsson


モバイルデータのトラフィック増加の最大の要因はビデオ。ビデオトラフィックは2018年まで毎年60%の割合で増加し続け、モバイルデータ全体の半分を占めると予想する(図1)。それもスマートフォンとLTEの普及がビデオトラフィック増加を加速している。

トラフィックを増やしているモバイル機器の中で大きな部分を占めるのがスマートフォン(図2)。その加入契約数は2018年末までに45億件と2012年の4倍に増加する。年平均成長率CAGRは25%になる。スマホ以外のモバイル機器として、タブレットやノートパソコン、モバイルルータも対象としているが、2018年にはスマホがモバイルデータ全体の85%程度を占める。ちなみに直近の2013年第1四半期に販売された世界中の携帯電話の50%がスマホだという。2018年までにはスマホ1台当たりの月平均使用データ量は2Gバイトにもなるとみている。


図2 モバイルデータを押し上げるのはスマホ 出典:Ericsson

図2 モバイルデータを押し上げるのはスマホ 出典:Ericsson


LTEの人口カバレージは、2012年の10%から2018年には60%に爆発的に増加すると見ている。ただし、2Gから、3G、LTEへという移行ではなく、同時に増加すると見ている。世界標準となっていたGSM/EDGE方式の携帯電話でさえ、2012年の85%強から2018年に90%強へ、また3GのWCDMA/HSPA方式は2012年の55%から2018年に85%以上に増えている(図3)。このうち、日本の人口カバレージについても調べており、LTE方式は増加するが古い方式は減少すると見ている。2GのCDMA方式搭載機は12年の3500万台から1000万台へ減少し、WCDMA/HSPA方式は12年の9000万台から18年には3000~3500万台に減少すると見ている。LTEは12年の1000万台から18年までに1億2000万台に増加すると予想する。


図3 2018年にはLTEが人口の60%をカバー 出典:Ericsson

図3 2018年にはLTEが人口の60%をカバー 出典:Ericsson


エリクソンは、モバイル機器を使う消費者のネットワーク利用時間や、通信オペレータ(通信キャリヤ、通信業者ともいう)に対するロイヤルティについても調べた(図4)。欧州、南北アメリカ、アジアにいる9040人のスマホのユーザーにアンケート調査したもの。利用時間で最も長かったのは、ソーシャルネットワーキングであり、1日平均で85分間使っているという。次がウェブブラウジング、さらにメールが続く。また、通信オペレータに対するロイヤルティでは、ネットワーク性能が最も多く20%、次がコストパフォーマンスの16%となっている。販促で使われる報奨プログラムは5%しかいない。通信オペレータはデータレートを上げる取り組みが消費者から最も歓迎されるということになる。


図4 通信オペレータに対するロイヤルティ 出典:Ericsson

図4 通信オペレータに対するロイヤルティ 出典:Ericsson

(2013/07/10)

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