PC向けは衰退、モバイル向けは成長、大きく分かれた2012年世界MPU市場
スマートフォンやタブレットに使われるアプリケーションプロセッサは、これまでロジックに分類されることが多かった。マイクロプロセッサのジャンルにそれを含めると、世界のマイクロプロセッサのランキングは大きく変動した。1位のインテルは変わらないが、2位にはAMDではなくクアルコムが入り、3位サムスン電子、4位にやっとAMDという順序だった。これはIC Insightsが調べたもの。
表1 世界MPU販売額ランキング 出典:IC Insights
2012年のMPUメーカーは、パソコンやサーバの衰退と、スマホやタブレットの進展が好対照を見せている。パソコン用MPUに注力してきたインテルは前年比1%減の368億9200万ドル、AMDは21%減の36億500万ドルだった。モバイルデバイス向けのアプリケーションプロセッサに注力している他のメーカーは、伸びが著しい。特にクアルコムは28%増の53億2200万ドル、サムスンはアップルのファウンドリ生産分も入れると78%増の46億6400万ドルとなった。nVidiaも29%増の7億6400万ドルと伸ばしている。IC Insightsによると、サムスンがアップルのプロセッサを生産している分は46億6400万ドルの内、83%を占めるという。
パソコン用マイクロプロセッサの売り上げはじわじわと落ちてきている。プロセッサ全体に占めるインテルのシェアは、2012年に65.3%あるが、2011年は67.3%、2010年は68.6%だった。AMDは2012年には6.4%だが、2011年は8.2%、2010年は9.6%もあった。
マイクロプロセッサ市場全体は2012年に2%増の565億ドルと、11年の成長率19%からは鈍化した。565億ドルは世界のIC販売額全体の22%を占める。今年の鈍化はデスクトップおよびノートブックPC向けが6%減だったため。
2013年には、マイクロプロセッサ販売額全体は10%増の620億ドルになるとIC Insightsは見ている。さらに2012年から2017年までの全マイクロプロセッサ販売額のCAGR(年平均成長率)は12%と見ており、17年には977億ドルに成長することになる。