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クアルコムが34%、グローバルは31%伸びた2012年の半導体確定ランキング

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2012年の世界半導体メーカー売り上げ(確定値)ランキングを市場調査会社のICインサイツ(Insights)が発表した。昨年12月に発表したランキングとほとんど変わりはないが、12月の売り上げが全体的に予想以上に良かったために上方修正した企業は多い。

表1 世界半導体2012年ランキング(確定値) 出典:IC Insights

表1 世界半導体2012年ランキング(確定値) 出典:IC Insights


今回の特徴は、1位のインテルが2位のサムスンを突き放したことだとICインサイツは見る。2010年にはインテルの売り上げはサムスンの1.24倍まで接近したが、2011年にインテルはインフィニオンの通信部門を買収し、サムスンとの距離を1.48倍に引き離した。2012年はさらに加速し、サムスンの1.52倍に拡大した。

トップ5での大きな順位の変動はクアルコムの躍進である。売り上げを前年比34%伸ばし、TIを抜き去った。クアルコムはWiFiチップ最大手のアセロスコミュニケーションズをはじめ、モバイルに必要な企業の買収を続け、売り上げを増やしてきた。TIは、ここ数年3位と4位を行ったり来たりしていた。2011年からファウンドリのTSMCが第3位の地位を確保し、2012年には前年比18%伸ばした。

経営破たんしたエルピーダは、同21%減の30億7500万ドルで24位に下がった。エルピーダはマイクロンの傘下に入ることになったが、マイクロンの80億200万ドルを単純に足し合わせると、110億7700万ドルとなり、ルネサスを抜いて第7位になる。6位の東芝との差はわずかに1億4000万ドルに迫っている。

ファウンドリ企業も躍進した。特にグローバルファウンドリーズは前年比31%増を記録した。もともと親会社のAMDから製造部門だけをスピンオフしてファウンドリ企業となった。当初はAMDからの注文しかなかったが、微細化に遅れることなく設備投資を積極的に行い最先端ラインを構築したことで、クアルコムやSTマイクロエレクトロニクス、フリースケールからも受注し、売り上げ増につながった。

日本企業ではシャープが健闘しており、14%増の33億400万ドルになった。2011年の27位から2012年は22位と躍進した。シャープの躍進は光エレクトロニクス・センサ・個別半導体というO-S-D分野が20%伸びたため。WSTSの統計によると、世界の半導体産業全体では2.9%減だったため、それ以上の成長率を示したのは日本企業ではシャープだけである。

トップ25社全体で見ると米国の10社に続き日本は7社も入っている。台湾は3社、韓国2社、欧州は3社しかない。日本は、やり方次第でもっと成長できる。

(2013/04/03)

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