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今年は3.2%減だが13・14年は4.5%・5.2%増で成長する半導体市場、WSTS予測

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今年、半導体市場で伸びるデバイスは、通信用ロジックとLEDになりそう、とWSTS日本協議会が12月までの見通しを発表した。今年の半導体デバイス全体では前年比3.2%減となりそうとみている。ただし、2013年、2014年はプラス成長すると予測する(図1)。

図1 世界の半導体市場予測 出典:WSTS

図1 世界の半導体市場予測 出典:WSTS


2012年にマイナスとなるのは、世界経済の停滞によってパソコンなどの売り上げが不振だったためだという。製品別では、ディスクリートが9.7%減の193億ドル、IC全体は4.2%減の2367億ドル、センサが0.4%減とほぼ横ばいの79億ドルで、オプトエレクトロニクスが12.5%増の260億ドルとなると見ている。売り上げの絶対値はICが圧倒的に大きいが、IC製品をアナログ、MOSマイクロ、ロジック、MOSメモリとすると、ロジックだけが2.2%増のプラス成長で、残りのICはすべてマイナス成長となる(図2)。


図2 ICの製品別伸びの予想 出典:WSTS

図2 ICの製品別伸びの予想 出典:WSTS


さらにオプトエレクトロニクスとロジックの中身を見ると、9月末の時点でオプトではLEDランプとイメージセンサが伸びており、ロジックは通信用のベースバンドチップが伸びたという。LEDはこれまでテレビのバックライト用途がメインだったが、照明用のLEDも立ち上がってきた。WSTSは13年以降もLEDランプは伸びていくと見ている。オプトエレクトロニクスは受光・発光素子を全て網羅しており、フォトダイオードの一種である太陽電池セルもこの分類に含まれる。ただし、WSTSに加盟している半導体メーカーの中で太陽電池セルを生産している企業は少ないため、オプトエレクトロニクスの中でのウェートは低いという。

通信用ロジックという分類のベースバンドチップは、設計した時点での用途として通信用と定義している。Wi-Fiモデムは今やパソコンに標準装備されており、この場合でもコンピュータ用のロジックとは言わない。ロジックは伸びたが、FPGAはマイナス成長になる見込みだという。

ほぼ横ばいになると見られるセンサには、光を扱うイメージセンサや赤外線センサなどは含まない。加速度センサやジャイロなどMEMSなどを利用する機械的なセンサを含んでいる。スマートフォンに入っている加速度センサなどが好調だという。

来年以降、2013年は半導体市場全体で4.5%増、2014年は5.2%増で伸びていくと予測している。この伸びをけん引するのはスマホやタブレット。パソコンはWindows 8の影響は2013年には出ないと見られている。これまでもWindows 7の時はOSが新しくなってパソコンが売れたということはなかった。もうパソコンは買い替え商品になっているため、特にオフィス市場ではマクロ経済が伸びないだろうからパソコンに期待はできないとしている。

スマホやタブレットが伸びるとなると、やはり通信用のモデムやアプリケーションプロセッサ、MEMSセンサ、RFワイヤレスIC、イメージセンサなどが期待できそうだ。LEDももちろんスマホやタブレットに搭載されているが、照明用という新しい市場が開かれることから、大きな伸びが期待されるだろう。

(2012/11/29)

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