微細化進めるほどファウンドリのウェーハ単価は高くなる
45nm以下のプロセスの比率が最も高いファウンドリはGlobalFoundriesであることが、米市場調査会社のICインサイツ(Insights)の調べでわかった。ファウンドリ専門大手4社のうち、45nm以下のプロセスが全プロセスに占める比率はGFが2011年55%もあったのに対して、TSMCは26%だった(表1)。
表1 大手ファウンドリ専門企業の45nmプロセスの比率 出典:IC Insights
2012年末にはGFのこの比率は65%、TSMCのそれは37%になる見込みだという。もちろん売り上げの絶対値はTSMCの方が大きく、GFが27億9000万ドルになるのに対してTSMCは62億2600万ドルになる。UMCやSMICではこの比率はさらに小さく、それぞれ11%、1%未満となる。SMICは2012年のはじめに45nmプロセスの生産に入ったが、量産までにはもっと時間がかかるとICインサイツは指摘する。TSMCが最初に45nm生産に入ってから量産までに3年かかったという。
ファウンドリ専門企業全体では、45nm以下の割合は2012年に30%くらいになり、2011年の22%から上昇する。0.18μm以上のプロセスの比率は徐々に減り始め、2010年15%、2011年14%になり、2012年は13%になるとみる。
ファウンドリビジネスは、プロセスの微細化と共に利益が増える構造になっている、とICインサイツはみている。2012年には、ウェーハ1枚当たりの売り上げ(8インチ換算)が45nm以下のプロセスがほとんどないSMICは759ドルになるのに対して、TSMCは1,190ドル、GFは1,157ドルと大きい。2012年の上半期までのデータは表2を参照。
表2 大手ファウンドリ専門企業比較 出典:IC Insights
微細化につれ巨額になる投資に対しては、IBMとGFとのコラボレーションといったパートナーシップの締結や、合弁企業の設立などの資金分担によって達成できるとする。こういった傾向を捉えてGFは2014年までに14nmのFINFETプロセスのファウンドリ計画を発表した、とICインサイツは見ている。