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半導体・FPD製造装置は13年は順調に成長する、とSEAJ・SEMI予測

日本半導体製造装置協会(SEAJ)は、2014年までの日本製半導体製造装置とFPD製造装置の予測を発表した。これによると、2012年における半導体とFPDの製造装置の合計金額は1兆4275億円と前年比10.1%減になるものの、2013年には20.8%増の1兆7242億円、2014年に0.5%増の1兆7326億円になると予想した。

図1 日本製半導体・FPD製造装置の2014年までの予測 出典:SEAJ

図1 日本製半導体・FPD製造装置の2014年までの予測 出典:SEAJ


この予測は、SEAJ理事・監事会社17社による市場規模動向調査の結果を元に総合的に議論・判断してまとめたもの。この予測は日本製の製造装置に限っているが、図1の日本の製造装置メーカーは海外にも販売していることから、世界市場の予測も同じような傾向にある。

SEMIが7月9日に発表した2012年および2013年の予測(表1)によれば、それぞれ424億ドル、467億ドルになる。2012年は前年比2.6%減だが、2013年は10.2%増とSEMIは予想している。SEMIは市場地域別の予測も発表しており、2012年に最も伸びそうな地域は韓国で、32.6%増の114.8億ドルとみている。台湾もプラスの8.6%増と見込んでいるが、日本や北米、欧州などは、今年の製造装置市場はマイナスと見ている。ただし、2013年には台湾を除くすべての地域でプラス成長になり、全体として10%規模で伸びると予想する。


表1 SEMIが発表した世界の半導体製造装置の予測(単位は$B) 出典:SEMI

表1 SEMIが発表した世界の半導体製造装置の予測(単位は$B) 出典:SEMI


SEAJの2012年における合計金額を引き下げた最大の要因は、FPD製造装置が2011年の3250億円の半分の1600億円と見ているからだ。FPDは大型テレビの需要が一巡し、今後成長できる地域は中国やインドなどしかない。スマートフォンやタブレットは今後の需要をけん引する重要なデバイスであるが、テレビに比べると画面サイズは圧倒的に小さいため、液晶パネルの生産面積は減少するか、横ばいにならざるをえない。

これに対して、日本製半導体製造装置は2012年でも1兆2675億円と、0.3%の微増であり、13年は10.0%増、14年は5.6%増と順調に伸びていく。半導体は微細化しても機能を追加することができるため液晶と違って応用によってチップ面積が大きく増減することはない。応用分野が広がるにつれ、チップの数量も増えていく。WSTSによれば1〜3月の半導体チップ売り上げは前年比8%減であるが、この調査機関は今年全体で0.4%増という見通しを発表している。このことは、8%減を補うため後半に伸びることを意味する。最近の3ヵ月は前月比で連続プラス成長している。ちなみに最近発表したSIAの5月における半導体チップの販売実績は、前月比1.4%増の243.9億ドルである。ただし、前年同期比ではまだマイナスであるため、今年全体の0.4%増を実現するためには伸びることが求められる。最近のプラス傾向でSIAは今年の後半も期待している。

今年の後半に300mm、28nmプロセスのチップの量産体制を築くための製造装置が求められている。ここ数年は、微細化をけん引するデバイスがこれまでの少量のFPGAから大量に使われるアプリケーションプロセッサやモバイルプロセッサに替わるため、生産数量を飛躍的に増やすための製造装置に期待がかかっている。

(2012/07/10)
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