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半導体MEMSセンサ市場は2016年まで18%で成長、109億ドル市場に拡大

半導体センサの市場が急速に伸びている。今年が対前年比18%の伸びだが、2016年までの年平均成長率CAGRも同じ18%と2桁成長で109億ドルに拡大すると予想されている。これは米市場調査会社のICインサイツ(IC Insights)が発表したもの。半導体センサとは、MEMS技術を使ったセンサのことであり、加速度センサやジャイロセンサ、磁気センサ(ホール効果素子)、圧力センサなどを含む。

図1 半導体MEMSセンサ市場は2016年まで18%増で成長する 出典:IC Insgihts

図1 半導体MEMSセンサ市場は2016年まで18%増で成長する 出典:IC Insgihts


加速度センサとジャイロセンサ、圧力センサはMicroElectroMechanical System (MEMS) 構造を利用して、センサ信号の変化を検出する。

この調査で定義されたセンサには、半導体MEMSセンサだけではなく、電気信号から物理的に動作するアクチュエータ部品も含んでいる。テキサス・インスツルメンツが開発したプロジェクタ製品向けマイクロミラーデバイスや、SAW(表面弾性波)フィルタ、マイクロ流体チップ、インクジェットのノズル部品などがアクチュエータといえる。

センサの中で今後の成長が期待される分野はX、Y、Zの3軸方向に向いた力を測定する加速度センサと、回転状態の加速度を検出するジャイロセンサである。これらは2011年に24億ドルだった市場が2016年に59億ドルに成長し、CAGRは20%に及ぶ、とICインサイツは見ている。ホール効果素子や電子コンパス素子などの磁気センサは2011年の13億ドルから2016年に27億ドル、16%のCAGRで成長し、圧力センサはCAGR15%で2011年の10億ドルから2016年に20億ドルになると予想している。

こういった半導体MEMSセンサが成長する理由は、スマートフォンやタブレットなどの携帯機器のユーザーインターフェース(GUI)の改善による。こういった携帯機器は、物理的な動きを検出したり、その変化を検出したりする。これらの信号を検出した後、携帯機器を自動的に制御したり機器を保護したりするといった応用にも使える。

スマートフォンを傾けると画面が90度あるいは180度くるっと回ったり、2台のiPhoneを互いにぶつけ合うことでデータを転送したりするような機能では、加速度やジャイロなどのセンサを使う。動きを検出し、その動きの意味をソフトウエアとして記録しておけば、命令によって記録を読み出し、スマホの機能や操作を変えることができる。こういった楽しさを表現したGUIは従来のスマホや携帯機器だけではなく、医療機器やヘルスケア機器、工業機器にも入り込もうとしている。センサがコンピュータやディスプレイのGUIをより楽しくさせる機能を実現し、その市場が広がりつつある。

(2012/06/12)
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