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2011年携帯電話のトップテンランキング、サムスンが売上首位に

スマートフォンを含めた世界の携帯電話機2011年トップテンランキングを米市場調査会社のICインサイツ(IC Insights)が発表した(表)。これによると台数のトップメーカーは相変わらずノキアだが、売上額ではサムスン電子がノキアを抜き、トップに立った。サムスンの売上額は対前年比47%増であった。

表 携帯電話トップテンランキング 出典:IC Insights

表 携帯電話トップテンランキング 出典:IC Insights


平均売価(ASP)で見ると、スマートフォンに力を入れている企業のASPが高い。スマホしか販売していないアップルは1台平均322ドルと高く、売上額はノキアの333億ドルに対して300億ドルと迫っている。ブラックベリーのRIMとHTCもスマホ専門メーカーであるためそれぞれ313ドル、349ドルと高い。逆に従来の携帯電話(フィーチャーフォンともいう)が中心のノキアのASPは80ドルと低く、売上額は前年比で14%減となった。

この統計の「その他」には、「山寨機(さんさいき)」と呼ばれる、通信キャリヤの認定を受けていない偽物機種も含まれており、そのASPは43ドルと低い。また売上の伸びが最も大きかったのは中国華為技術の328%増である。この表には出ていないが、華為は2010年のASPが40ドルで、2011年には99ドルへ上昇したことから、スマホへの急速なシフトが読みとれる。また、台数ベースではアップルが前年比ほぼ2倍の96%増を示した。スマホ専門のアップルのASPは昨年並みとほぼ変わらないため売上額も2倍近く(94%増)伸びた。

売上額首位を明け渡したノキアは台数も減らしており、前年比8%減となった。台数の市場シェアも2009年の34%から2010年32%、2011年26%と減少傾向が著しい。ノキアは昨年暮れにWindows PhoneというマイクロソフトのOSを搭載したスマートフォンを出してきており、今年は700/800/900シリーズ機種と多数の製品を展開、巻き返しを図ろうとしている。

ICインサイツは、2012年の携帯電話の台数市場を17億7000万台と予測しており(図)、これは前年比11%の伸びになる。携帯電話は2006年に10億台の大台に乗り、それ以降も、リーマンショックの影響を受けてマイナス成長になった2009年を除き、成長曲線を描いている。今年の台数は、第1四半期は前期比で10%減となる季節要因を含め、伸びる第3および第4四半期の成長を考慮して11%とICインサイツは見積もった。


図 携帯電話の台数ベースの市場実績と2012年の予測(11%増) 出典:IC Insights

図 携帯電話の台数ベースの市場実績と2012年の予測(11%増) 出典:IC Insights


2011年の携帯電話の台数はインドと中東、アフリカ市場が21%増を示した。最大の消費国は中国で2011年は3億1000万台を販売したという。先進国では台数の伸びは1桁で飽和しており、買い替え需要と一人数台というライフスタイルが今後の携帯市場をけん引するだろうと見ている。

(2012/05/01)
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