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SICAS最後のデータから4Qのウェーハ実投入数は低下気味、稼働率90%を割る

世界半導体統計のSICASが2011年第4四半期を最後に2012年以降のウェーハの生産能力と実投入数のデータを提供しないことが確定した。最後となる2011年第4四半期までの統計データから読みとれることは、生産の稼働率がやや落ちていることだ。

図1 ICとディスクリートを含めた半導体全体

図1 ICとディスクリートを含めた半導体全体


2011年の第1四半期の後に台湾半導体産業協会(TSIA)がSICAS(世界半導体生産キャパシティ統計)を退会したことによって、TSMCやUMCのようにウェーハを大量にプロセスしているファウンドリ企業がこの統計に含まれなくなった。このため、第2四半期の生産能力、実投入数とも大幅に落ちた。この結果、連続的にデータをとってきたこれまでの実績傾向が読みにくくなっている。

こういった状況から第2四半期から第4四半期にかけての状況を読みとることはできる。つまり生産能力は少しずつ上がっているが、実投入数が第4四半期で落ちてきている。このため、第4四半期で稼働率が90%を割ってしまった。リーマンショックから回復してきて初めての90%未満となっている。

ミクロン(μm)別のMOS実投入数では、0.06μm(60nm)未満プロセスのウェーハ以外は全て、減少傾向にある。60nm未満のウェーハではTSIA退会の影響による落ち込みが第2四半期で見られたが、その後は上昇傾向にある。


図2 ミクロン別のMOSウェーハ実投入数

図2 ミクロン別のMOSウェーハ実投入数


ウェーハサイズ別(図3)では、300mmウェーハへのシフトが顕著になり、300mmと200mmとの差は拡大している。300mmウェーハは増加傾向にある。一方で、200mm未満の5-6インチウェーハの実投入数(図4)は第4四半期で20%強減少している。


図3 MOSの実ウェーハ枚数では300mmと200mmの差は拡大

図3 MOSの実ウェーハ枚数では300mmと200mmの差は拡大


図4 ウェーハサイズ別のMOS実投入数 300mmは増えている。

図4 ウェーハサイズ別のMOS実投入数 300mmは増えている。

(2012/03/15)
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