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世界の半導体製造装置の販売額は9%増と昨年11月のSEMI見通しより低下

2011年における世界半導体製造装置の販売額は前年比9%増の2年連続プラス成長を記録した。日本半導体製造装置協会(SEAJ)とSEMI、SEMIジャパンがまとめた販売額は435億3000万ドルとなった。前年から大きく成長したのは、北米と欧州市場である。

図1 世界市場における半導体製造装置販売額 単位は10億米ドル 出典:SEAJ、SEMI、SEMIジャパン

図1 世界市場における半導体製造装置販売額 単位は10億米ドル
出典:SEAJ、SEMI、SEMIジャパン


対前年比で欧州市場が80%増、北米市場は61%増、日本市場も31%増と成長している。2011年の最大の市場は北米でその金額は92億6000万ドルとなった。北米のトップは9年ぶり。2010年トップの台湾市場が韓国の次となり、第3位になった。

北米市場では、インテルの投資に加え、ニューヨーク州アルバニーにあるグローバルファウンドリーズとテキサス州オースチンのサムスンのファウンドリ工場への投資が大きいとみられる。

ここ数年半導体設備投資の大きなカギを握って来た台湾の投資額は、2011年一段落した。ただし、台湾の半導体設備投資をけん引してきたTSMCは2010年の59億ドルから2011年は73億ドルに増やした。にもかかわらず、台湾全体の設備投資額が低下したのは、DRAMメーカーが投資額を大きく落としたためと思われる。例えばDRAMメーカーであるNanyaの第3四半期におけるバランスシートを見ると(減価償却費を無視した乱暴な見方ではあるが)、2009年から2010年に機械設備額の増加分は141億元(1元は約3円)だったが、2010年から2011年はわずか55億元しか増えていない。およそ1/3に減らしたと見える。

今年もそれほど大きな成長はしない。ただ、2012年3月13日に発表された米調査会社のGartner社の見通しは今年の半導体デバイスの販売額は4%増の3160億米ドルと、2011年の11月に2.2%増とした時よりも若干上方修正したことになる。これを受けてTSMCが今年どう動くか、目を離せない。

(2012/03/15)

(お詫び)
最後から2番目のパラグラフは全面的に刷新しました。読者からTSMCは11年に投資額を増やした、という指摘を受け、確認したところ、2010年と2011年の議論を、2011年と2012年の議論としておりました。お詫びして訂正いたします。

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