勢力図が塗り替わったスマホ向けのアプリケーションプロセッサ市場
米市場調査会社のStrategy Analytics社の調べによると、2011年におけるスマートフォン向けのアプリケーションプロセッサ市場は、対前年比70%増の79億ドルに達した。最も躍進したのはクアルコム社であり、その市場シェアは数量ベースで初めてトップになったとしている。

図 クアルコムの最新アプリケーションプロセッサSnapdragon S4のイメージ
金額ベースではやはりクアルコムが圧倒的に強く、市場シェアは50%程度だとしている。これまで、数量ベースでのトップは、テキサス・インスツルメンツ(TI)だった。TIのOMAPは2011年さほど伸びなかったようだ。トップ5社には、アップル、サムスン、TI、クアルコム、ブロードコムが入っているが、最も著しい成長を遂げたのはブロードコムで、2011年は500%増という驚異的な数量のアプリケーションプロセッサを出荷した。nVidiaは6位であり、これも数量・金額とも躍進した。スマホに最初のデュアルコアプロセッサを載せたが、2011年後半に失速したとしている。
クアルコムが強いのは、Snapdragon アプリケーションプロセッサのポートフォリオを拡充し、多数のソフトウエアエコシステムを構築したことが奏功した。アンドロイドのエコシステムが高成長をけん引したとStrategy Analyticsはみている。トップティアのスマホメーカーと緊密な関係を築いていることも強さの秘密だという。
2011年にこの市場に参入したブロードコムとnVidiaは、大きなデザイン-ウィンを勝ち取った。両社とも2012年も製品ポートフォリオを改善し、さらにシェアを伸ばしていく。