日本製半導体チップのシェアは16%に低下、成長戦略にアタマを切り替えよう
米国市場調査会社のICインサイツ(IC Insights)は、世界の半導体チップを製造・販売しているメーカーをこのほど地域ごとに整理した。その結果、日本製半導体チップは2009年の18.4%から2010年に17.4%、2011年は16%と徐々に下がっている市場シェアに歯止めがかからない。
図1 本社地域別の世界半導体メーカーの市場シェア 出典:IC Insightsのデータを元にセミコンポータルが図示化
この調査は、世界の半導体企業全体の売り上げに占める、半導体メーカーの本社のある地域ごとに表したもの。アメリカ企業は相変わらず強い。2011年では、インテルやクアルコムはもちろんのこと、オンセミコンダクタやスカイワークス、LSIなどが大きく伸びたことが貢献したとICインサイツは見ている。この統計には、ファウンドリの売り上げとオプトエレクトロニクス、センサ、個別半導体は含んでいない。ファウンドリを売り上げに含めるとシェア計算がダブルカウントされるからである。この3年間、米国企業は50%以上の市場シェアを握っている。
米国以外のメーカーはどうか。2011年になって韓国のシェアが初めて日本を抜いた。特にサムスンとハイニックスがメモリ市場の幸運に恵まれてシェアを伸ばした。逆に、台湾はDRAM市場が不調であるためDRAMを生産していたナンヤ(Nanya)やプロモス(ProMOS)の売り上げ低下がそのままシェア低下につながった。中国ブランドのIC企業は2009/2010年の1.4%から1.6%に微増したが、中国におけるファブレス半導体メーカーのHiSilicon社とSpreadtrum社が伸ばしたことによる。
図2 図1から米国を除き地域別市場シェアを拡大したもの 出典:IC Insightsのデータを元にセミコンポータルが図示化
別の米国市場調査会社のガートナーによると、日本の半導体は2006年までは20%を超えていた。1988年/1989年に日本の半導体は50%に達していた。1998年に30%を切ってから徐々にしかも確実にシェアを落としている。復活させるためには、一にも二にも成長させるため(伸ばしていくため)の戦略の練り直しが各社に求められている。これまでのようなリストラ戦略では成長と未来が見えない。成長戦略にアタマを切り替えるべきだ。