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2011年世界半導体市場は+1.3%の3023億ドルに留まるものの、初の3000億超え

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WSTS(世界半導体市場統計)が11月15〜18日間スペインで開催された秋季市場予測会議において、2011年の半導体は前年をわずかに上回る1.3%増の3023億ドルになると予測した。この会議では今年も含めた3年間の市場を予測しており、2012年は+2.6%の3102億ドル、2013年は+5.8%の3281億ドルになるとした。

図1 2011年秋季世界半導体市場予測 出典:WSTS

図1 2011年秋季世界半導体市場予測 出典:WSTS


地域別では(図1)、やはり日本の大震災、大洪水、タイの洪水の3重災害により日本だけがマイナス成長となった。2010年はリーマンショックからの回復により+21.6%を示したが、2011年は-7.4%の431億ドルになった。この数字には円高要因が含まれているため、円ベースに直すとマイナスはさらに大きくなり、-15.8%の3兆4400億円となった。半導体の日本市場は2007年の5兆7497億円をピークにして長期減少気味。ただし、これは半導体メーカーの不調というより、それを使う電子機器の国内生産が減少していることの裏付けである。というのは、半導体市場とは半導体メーカーから第3者へ渡った時点からを定義しているため。いわば半導体ユーザーの使う金額が市場となる。

製品別では、ディスクリートが+10.8%の219億ドル、このうち過半数を占めるパワー半導体が20%程度伸びたとしている。特に、LEDドライバやIGBTなどの伸びが大きかったとする。イメージセンサを含むオプトエレクトロニクス製品は+5.2%の228億ドル、センサは+17.2%の81億ドルだが、ICは-0.2%の2494億ドルに留まった。センサにはゲームやスマートフォン用の加速度センサやジャイロセンサが含まれる。


図2 ICの分野別伸び 出典:WSTS

図2 ICの分野別伸び 出典:WSTS


IC製品の中では、MOSメモリーだけが-12.9%と沈んでおり、他のアナログ、MOSマイクロ、ロジックはすべてプラス成長(図2)。マイクロプロセッサやマイクロコントローラ、DSPなどを含むMOSマイクロが+8.0%の655億ドル、ロジックは+3.7%の802億ドル、アナログは+1.7%の430億ドルとなった。沈んだメモリーでも、フラッシュはプラス成長で、DRAMが-20数%と大きくへこみSRAMもマイナスだという。ただし、数字は公表できないとしている。

DRAMはパソコンの出荷の伸びが弱かったことが原因。第4四半期の予測も弱含みだとしている。この原因は正確にはわからないとしながらも、タイの洪水の影響でHDD供給不足によるパソコンの低迷が要因だろうと見ている。

(2011/12/01)

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