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東芝、NANDフラッシュ市場におけるサムスンとの差を再び縮める

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2011年第3四半期(7〜9月)におけるNANDフラッシュの市場シェアを、シンガポールベースのメモリー市場調査会社のDRAMeXchangeが発表した。これによると、第2四半期に韓国のサムスン電子に引き離された東芝が再び差を詰めつつある(図1)。前四半期6億200万ドルの差が3億1100万ドルまで縮まった。

図1 NANDフラッシュ市場におけるサムスンと東芝の差 出典:DRAMeXchangeの数字を元に津田がデータを加工

図1 NANDフラッシュ市場におけるサムスンと東芝の差 出典:DRAMeXchangeの数字を元に津田がデータを加工


ただし、最も差が縮まった2011年第1四半期の5800万ドル差にはまだ及ばない。前回の落ち込みは東日本大震災におけるサプライチェーンの影響によるものだろうが、回復が早く、リベンジが始まったとみてよいだろう。

DRAMeXchangeによると、欧州ギリシアの債務問題と米国の財務問題の影響を受け、この7月〜8月は受注が減り、在庫補充による受注回復が9月初めまでズレ込んだ。スマートフォンやタブレットのような安定なOEM需要は別にして、メモリーカードとUSBメモリー市場はこの7〜8月は弱含みだった。しかし、今年の年末商戦に向け、在庫補充需要が9月から始まり、NANDフラッシュの価格が安定した。この第3四半期は、大手メーカーによるNANDフラッシュの平均単価(ASP)は前四半期比で14%下がったが、ビット需要は同比で28%増加した。この結果、フラッシュ大手5社の合計売り上げは9.6%増加した(表1)。


表1 大手NANDフラッシュ5社の売り上げランキング 出典:DRAMexChange

表1 大手NANDフラッシュ5社の売り上げランキング 出典:DRAMexChange


大手5社のランキングでは、トップのサムスンの売り上げが20億300万ドルで37.5%のシェア、2位東芝は16億9200万ドルで31.6%シェア、3位のハイニックスは6億3300万ドルの11.8%シェアである。

サムスンはスマホとタブレットの大手OEMメーカーからの受注があり、2.3%増と業績を伸ばした。ビット需要は前四半期比20%増だが、ASPは15%減になり、結局微増に留まった。市場シェアは前四半期の40.1%から37.5%に落ちている。27nmと21nm製品の生産数量を増やし続けていくと同時に、新しいeMMCカードを開発しSSDカードの比率を増やしていくとしている。

東芝は前四半期13億5700万ドルの売り上げから第3四半期には16億9200万ドルに増やし、市場シェアを27.8%から31.6%に伸ばした。やはりスマホとタブレットメーカーからの需要と、カードメーカーからの需要がけん引した。東芝も微細化を推し進め、24nmと19nmの製品を増やしていく。

(2011/11/01)

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