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2011年上半期の世界半導体ランキング、インテルは再びサムスンを引き離す

2011年上半期の世界の半導体メーカートップ20社が米市場調査会社のICインサイツ(Insights)から発表された。これによると、米インテルの首位は揺らぎなく、不動の地位を固めた感がある。追い上げの激しかった韓国のサムスン電子を引き離した格好だ。

表1 2011年上半期の世界半導体トップ20社ランキング 出典:IC Insights、各社

表1 2011年上半期の世界半導体トップ20社ランキング 出典:IC Insights、各社


2010年全体の売り上げで見ると、インテルの売り上げはサムスンのそれよりも1.24倍大きいという数字に留まり、サムスンの追い上げが迫っていた。しかし、2011年の上半期は1.43倍も大きく、その差を拡大した。インテルの23%増という躍進理由の一つはドイツのインフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies)からワイヤレス事業を買収したことだ。逆にインフィニオンはこの部門を売却したのにもかかわらず、わずか4%の減少にとどまり、事業継続している部門は30%増と大きく躍進した。

トップ10社では、7位のスイスSTマイクロエレクトロニクス(STMicroelectronics)が8位に落ちた韓国ハイニックス(Hynix)と入れ替わっただけだが、11位から20位の変動は大きい。20位にはグラフィックスチップのファブレス米Nvidiaが入ると同時にパナソニックが圏外に転落した。台湾ファウンドリのTSMCとUMCの売り上げを合計すると半導体産業の売り上げ全体をダブルカウントすることになるため、この2社を除くと米マーベル(Marvell)と米オン・セミコンダクター(ON Semiconductor)がランクインされ、パナソニックはそれら以下ということになる。

全体的な特徴ではメモリー、特にDRAMメーカーの不調が目立つ。フラッシュだけの東芝は前年同期比2%増の63億4400万ドルだが、DRAMだけのエルピーダメモリは37%減の22億2000万ドルに減少、順位も13位から16位に後退した。その他のDRAMメーカーは、フラッシュも手掛けているため、エルピーダほど傷は深くなく、サムスンが9%増の166億8100万ドル、ハイニックスが4%減の50億4800万ドル、マイクロンは2%減の43億4300万ドルに留まっている。

今期のもう一つの大きな特徴はドル安でもある。ドルに対して円は2010年の上半期と比べると12%高、台湾元は10%高、ユーロは6%高、韓国のウォンでさえ5%高となっている。このため米国以外の国の企業は押し並べて高い数字になっている。日本企業では東芝が2%増だが、昨年と同じ円ドルレートだと仮定するなら9%減の56億9000万ドルに減少し、55億7500万ドルで1%減のルネサスは11%減の49億9800万ドルに減少する。TSMCは台湾元高にもかかわらず、昨年並みのレートで比べても10%増の67億6600万ドルと健闘している。

日本メーカーの中で、業績が最もよかったのは15%増のソニーで、29億9100万ドル、次が13%増の富士通セミコンダクターで、21億8200ドルとなっている。

(2011/08/03)
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