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自動車用半導体ICは2011年に12%成長、とICインサイツが発表

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米調査会社のICインサイツ(IC Insights)は、2011年の自動車用半導体は12%も成長するという見方を発表した。半導体全体では6%前後の例年(1999年以来)の伸び率に変わり、2010年の32%という驚異的な回復力を見せた年とは違う。だからといって景気後退という訳ではない。健全な伸びを示すだろうというのが一致した見方である。

図1 自動車用IC市場は2009年から2014年まで年平均14.5%で成長 出典:IC Insights

図1 自動車用IC市場は2009年から2014年まで年平均14.5%で成長
出典:IC Insights


世界規模の自動車産業は2011年、5%増の5580万台に達するとICインサイツは見ている。自動車産業全体の伸びよりも自動車用IC市場の伸びの方がずっと大きい。2010年に自動車用IC市場は前年比で45.3%という伸びにより強い回復力を示し、2011年は12%増の172億ドルに達すると見ている。地域的には、米国の自動車産業は急速に回復しており、中国では2010年には米国における出荷台数よりも50%も多かったと分析している。

自動車用エレクトロニクスは、安全、テレマティックス、インフォテイメント、さらに省エネ・排ガス抑制などが主力テーマとなっており、そのための成長ドライバとなるのが半導体ICという訳だ。半導体ICは高級車だけではなく、小型大衆車にまで入り込んでいく。バックモニターや自動クルーズ、白線検出、車体安定(stability)制御などは日本と欧州のクルマにはすでに導入されているが、今後は米国車にも採用されていく。このため成長すると見ている。

安全性や車体安定制御には、ジャイロスコープや加速度センサー、圧力センサーなどMEMSセンサーが多用される。

インフォテイメントでは、スマートフォンをカーナビの大画面にドッキングさせる需要があり、画像転送や画像処理、インターネットアクセス、タッチスクリーン、音楽ストア、テキストメッセージなどの回路にICが必要となる。

図1のように、2009年から2014年までの自動車用IC市場は年平均14.5%で成長し、2014年には209億ドルに達すると見ている。同じ2014年までのICの年平均成長率は10.6%であり、分野別のIC成長率は、コンピュータが11.7%、通信は8.1%、民生が10.6%であることから、自動車用ICの成長率が最も高い。

(2011/02/25)

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