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10月のDGレシオ、数値は改善するものの受注は大幅マイナス

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年末商戦前に調整か

 2006年10月のデータガレージ(DG)レシオ・受注・販売は、それぞれ1.16(9月1.02)、1.30(9月1.44)、1.24(9月1.57)となったことがアイサプライ社より発表された。DGレシオは、9月の1.02(1.02速報値)から大幅改善となったが、受注と販売の下落による改善であり、特に出荷の大幅下落は深刻である。つまり、DGレシオの改善にかかわらず、エレクトロニクス市況は改善されているわけではなく、むしろ悪化していると見られている。

DGレシオ(2006年10月分)


 PC市場の10月の受注は前月比で横ばいとなり、受注環境はピークアウトする可能性が出ている。前月は、台湾のマザーボードメーカからの発注が急増していたが、それも長続きしない状況がみえ始めている。11月の受注状況にも調整の可能性が見えており、Vista発売前の買い控えが原因のひとつになっている。

 携帯電話市場の10月の受注環境は微増傾向にあるが、減速感はぬぐえない。Nokiaなど大手からの発注が振れており、11月から2〜3ヶ月は調整機関になるとみるデバイスメーカーが増えている。在庫が期待通りに圧縮されていないために、受注が再度調整に入るとの情報もある。半導体、電子部品ともに、国内はナンバーポータビリティの低調が響いている。

 民生機器市場の10月の受注環境は微減傾向にある。ゲーム機は引き続き堅調、フラットTVも需要は旺盛であるが、DVD関連は厳しい状況となっている。

 エレクトロニクスの受注環境は、年末商戦向けで活発な季節にもかかわらず悪化している。11月の受注環境も10月並で推移するとみられ、出荷が落ち始める兆候が鮮明になってきた。携帯電話やパソコンのクリスマス商戦も期待以下に留まる可能性がある。米国経済のリセッションとインフレシナリオの可能性が低くなれば、調整の規模が大きくはならないが、受注と出荷が下降局面を示していることに変わりなく、今後も引き続き注意が必要であろう。

DGレシオとは?

DGレシオは、BBレシオ同様、ハイテク市況の先行指標となる受注/出荷レシオを調査、算出し、市況の変化と近未来のハイテク景気を予想する指標。調査に関する手法や詳細はアイサプライ社が独自に決定し、すべての集計、分析を行います。データは毎月算出し、背景とともにレポートにまとめて報告される。現在の対象部品は半導体、電子部品。データは毎月、世界の大手半導体/電子部品/製造装置材料メーカー30社以上から聞き取り調査により集計される。世界の半導体市場の40%以上をカバーしている。

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