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半導体製造装置のB/Bレシオは10月も1.12をキープ、健全な比率

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SEAJ(日本半導体製造装置協会)は、10月のB/Bレシオ(販売額に対する受注額の比)が1.12と発表した。9月は1.14であったため、わずかに落ちたというよりも連続して健全なレベルを維持していると見なすことができる。

図1 日本製半導体製造装置のB/Bレシオ

図1 日本製半導体製造装置のB/Bレシオ


図2 日本製FPD製造装置のB/Bレシオ

図2 日本製FPD製造装置のB/Bレシオ


製造装置のB/Bレシオは、受注額、販売額とも3ヵ月の移動平均で表されている。過去からの大きなトレンドを見るのには都合がよい。しかし、将来を予測するには3ヵ月の移動平均という指数は適切ではない。古いデータに引きずられるからである。このことを踏まえたうえで、半導体のB/BレシオとFPD(フラットパネルディスプレイ)のB/Bレシオを見ると、半導体は1.12という健全なレベルであり、FPDは需要に対してやや供給過剰の状態が続いている。

半導体の製造装置でやや気になる所は、受注額が少し下がったという点だ。9月の1279億6300万円から1204億1300万円に若干低下した。販売額も低下しており、受注額とリンクしている。6〜8月の1.38〜1.53という高い値は、喜ばしいというよりもむしろ、異常な乖離と見るべきだろう。今は需給バランスがとれており、健全な状態ではないだろうか。ただし、今後の推移を見守ってからではないと確かなことは言えない。それだけに移動平均額ではなく、単月の数字の方が将来予測するのにはふさわしい。

FPDに関しても同様に受注と販売がほぼ同じような傾向で推移しており、しかも販売額の方が若干多いという状態が続いている。新聞などでは、景気後退的な報道が多いが、注意して見ると販売額も受注額も8月からは増加傾向にあり、景気後退とは言えない。むしろ成長傾向とも言える。

(2010/11/22)

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