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2010年の半導体売り上げは3000億ドルに、ガートナーも上方修正

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米市場調査会社のガートナーは、2010年の世界の半導体産業の売り上げは前年比31.5%増の3000億ドルに達するという見通しを発表した。2010年の第2四半期における予想は27.1%増だったが、これを上方修正した形となった。これは予想以上に今年上半期の売り上げが良かったために後半を多少、伸びが緩むと見ても3000億ドルはいくだろうという見通しとなった。

ガートナーは上方修正し続けてきた

図1 ガートナーは上方修正し続けてきた


図2 市場調査各社が2010年半導体30%以上の伸びを予測した日

図2 市場調査各社が2010年半導体30%以上の伸びを予測した日


今年の後半は前半ほどの勢いはなく、緩んでくるという見方が一般的だ。ガートナーもご多分にもれず、今年後半のパソコン売り上げは前半よりも減少すると見ている。毎年の季節変動として第3四半期は大きく売れ行きが伸びる傾向があったが、今年はその傾向よりは減少すると見ている。ただし、売り上げが30%以上という見方を示した調査会社の中ではガートナーが他社よりも遅れているようだ(図2)。

とはいえ、iPadをはじめとするタブレットPC(ガートナーはメディアタブレットと呼んでいる)は非常に強い伸びを示し、ノートパソコンの落ち込みをカバーすると見ている。すでにネットブックからタブレットPCへの置き換えが始まっているとする。

携帯電話は着実に伸び続けるという。むしろ、第2四半期の時の予想よりもわずかだが伸びは大きいとしている。ただし、携帯電話の出荷台数は伸びるものの、価格下落へのプレッシャーは大きく、携帯電話機向け半導体チップの売り上げは13%増にとどまるだろうと見ている。

スマートフォンは携帯電話市場をけん引し続け、出荷台数は携帯電話台数の18%を占め、2010年の携帯電話機用半導体チップ売り上げの36%を占めるようになるとしている。この割合は今後さらに増加し、2014年までにスマートフォンの台数割合は41%、半導体チップは64%を占めるようになると見ている。というのは、エントリーレベルのスマートフォンがトリガーとなって、スマートフォン市場に第2の波を呼び込むだろうと予測しているからである。

半導体の中でもDRAMビジネスが絶好調で、昨年の絶不調の時に投資できなかった影響で供給不足が続いており、2010年全体では昨年比82.5%増の420億ドルに増えると見ている。しかし、2011年後半には投資の効果が表れ、供給が追い付き、2012年には再びDRAM売り上げは下がり29%の下落になると予想している。

同じメモリーでもNANDフラッシュのようなストレージは2013年までは順調に推移するだろうという。これはスマートフォンに大量に使われていくからである。

(2010/09/01)

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