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パワーマネジメント半導体は2010年40%成長するとアイサプライが予測

パワー半導体からパワーICまでを網羅する広義の「パワーマネジメント半導体」が2010年には40%近い成長を遂げる、と米市場調査会社のアイサプライが報告した。2009年が-15.8%と大きく沈んでしまったという反動はあるが、2009年の224億ドルから2010年は314億ドルと飛躍すると予想する。

アイサプライが予測するパワーマネジメント半導体市場

図 アイサプライが予測するパワーマネジメント半導体市場


アイサプライは、2010年から2014年までの年平均成長率はおよそ15%になるとする。特にけん引するのはノートパソコンとサーバーの買い替え需要に加え、太陽・風力などの再生可能エネルギー、ハイブリッドカー/電気自動車、スマートグリッドなどが期待されている。

今年は、パワー半導体は工業用から民生用まで拡がり、第3四半期もプラス成長を続けると見ている。年末に近づくにつれスローダウンしていくが、これは平年の季節変動にすぎない。今年後半の需要は、特に民生、ワイヤレス、データ処理関係などからのものが大きいという。価格も上昇気味で在庫は少しずつ増えていくだろうとして、供給が需要に追い付くまでにまだ数カ月がかかるだろうと予測する。

2014年までの見通しの中で、成長する分野の一つは再生可能エネルギー応用だろう。例えば、直流から交流へ変換するインバータあるいはコンバータと言われる分野では、太陽電池向けにはパワーコンディショナとしてパネルごとに取り付ける必要があり、大きな成長が見込める。加えて、インバータはソーラーだけではなく電気自動車や風力発電にも使える。この市場は2014年には2009年の29億ドルから2.5倍以上の72億ドルに成長すると見込まれている。

5年間の伸びが最も大きいのはCAGR(平均年成長率)で20.8%増が見込まれるパワーMOSFETである。それも伸びが最も大きいのは低電圧系のパワーMOSFETで、毎年25.6%で伸びて2014年には49億ドルに成長するという。この低電圧応用は有線通信や民生機器、カーエレクトロニクス、そして工業用である。パワーICの伸びはCAGR15.3%で、2014年までに253億ドルになろうと見る。

(2010/08/18)
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