今年のIC売り上げはこの10年で最高の伸び率30%超、とアイサプライが発表
世界の半導体の売り上げが絶好調だ。この10年で最高の30%以上の伸びを示すことを米市場調査会社のアイサプライが発表した。別の市場調査会社のICインサイツの発表ではこの2010年第1四半期のICの出荷個数は前年同期比で59%も増えたという。

出典:アイサプライ
セミコンポータルは「2010年の半導体ビジネスは明るい。。。一気呵成に攻める年である」と年初めに出版した「セミコンポータル エグゼクティブサマリーレポート」で予測したように、2010年の半導体市場は攻めの一手になっている。2番底は来ないと言い続けていた通りになった。いくらなんでも今、2番底という経済評論家はいないだろう。
半導体各社の在庫状況、生産状況などからおおよそ半年後の受注は見える。しかしその先はやはり見えない。しかし、アイサプライは今年いっぱいの半導体の成長率を30%強と予測したことは、2番底どころか、成長が半年後も続くとみているのである。30%という数字は2001年から2010年までの10年間で最も高い。2000年のITバブルと言われた年は36.7%も成長したため、それに次ぐような高い数字となっている。これは2008年から2009年はじめにかけて極端に絞りすぎたことに対する反動が着実に増えてきたことによる。決してバブルではない。
アイサプライは、2010年の半導体売り上げを30.6%増の3003億ドルと予測しており、この数字は過去最高の売上である3000億ドルを初めて突破することになる。これまで最高だった2007年の2740億ドルと比べても9%増加しており、文字通り新記録となる。アイサプライは2009年に絞りすぎた反動が解消され、2011年から再び通常の成長曲線に乗っていくだろうとみている。
2010年の半導体市場を引っ張るのは、まず企業向けパソコンである。これまで買い替えを長い間控えてきた反動がやはり出てきており、企業のITへの投資でパソコンの買い替えが進んでいる。もちろん、軽くなったWindows 7も後押しする。加えて、携帯電話やスマートフォン、液晶テレビ、その他半導体を多く使う電子機器も半導体需要を支える。2010年の電子機器の世界売り上げは1兆5500億ドルになるとみている。