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日本製半導体製造装置、2月も好調を維持するが、受注額が減り始めている

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日本半導体製造装置協会(SEAJ)が発表した2010年2月における日本製半導体製造装置の受注・販売統計によると、受注額は809億3800万円と昨年の11倍、販売額は2.3倍の671億3200万円になった。3カ月移動平均のB/Bレシオ(販売額に対する受注額の比)は1.34となっている。

日本製装置の受注額

日本製装置の受注額


昨年と比べること自体にあまり意味がないほど、昨年の落ち込みはひどかった。今年の受注額が昨年の11倍といっても、昨年の受注額は意味をなさないほど小さくしぼんでしまった。現在は、確実に回復基調であるものの、2008年レベルに戻ることがやっと、という状態で、ピークだった2007年のレベルに戻ることは極めて難しい状態になっている。

現状を的確に分析することは難しくなってきた。というのは受注額をみると、12月、1月、2月と少しずつ下がってきているのは、踊り場に来ているのかとも読めるし、販売額をみると12月をピークに1月、2月と下がる傾向だったのに2月でまた上がっているからだ。販売額は3月にはぐんと増えるかもしれないという期待がかかる。2月だけのB/Bレシオは1月よりも下がっているが、受注額が1月よりも下がったのに対して販売額はむしろ上がったからだ。


日本製装置の販売額

日本製装置の販売額


日本製装置のB/Bレシオは好調

日本製装置のB/Bレシオは好調


3ヵ月の移動平均で見ても、1月におけるB/Bレシオは1.36だったのが、2月には1.34に下がっている。今は、世界不況からの立ち上がり時期であることと、半導体ビジネスが変革期に来ていることが混ざり合っているため、装置業界の今後は予想しにくい時期に来ているといえそうだ。ここで半導体ビジネスの変革期とは、2007年まではファブレスを除く半導体産業が設備投資を確実にしてきたことに対して、今はメモリーとファウンドリービジネスだけが設備投資を活発に行い、装置産業を潤すように変わってきていることを指す。もはや微細化だけが半導体技術の先端ではなくなっていることがその背景にはある。特にSoCビジネスは微細化が技術をリードしない。

(2010/03/30)

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