12月の日本製半導体製造装置、順調な回復を示し、900億円の受注額まで戻す
日本製半導体製造装置の受注が順調に伸びている。2009年12月には899億円という受注額まで回復した。これはSEAJ(日本半導体製造装置協会)が発表した日本製半導体製造装置の受注額と販売額の数字である。受注額、販売額とも3ヵ月の移動平均したB/Bレシオ(販売額に対する受注額の比)は1.30となっている。
出典:SEAJ
今回の不況で最も受注額の低かった2009年2月には73億5300万円と12月の1/10以下にまで落ち込んだ。12月の受注額を対前年同期比でみるとなんと4.3倍もの金額になる。すなわち、今回の不況は製造装置メーカーをどん底にまで突き落とした。逆に言えば、ひどい位置まで突き落とされながら今生き残った製造装置メーカーは、逆境に強い企業群だともいえる。
今回の不況ではB/Bレシオがまるでほとんど意味を持たなかったことになったが、最近の回復は徐々にその意味も回復しつつある。というのは、前年の落ち込みはあまりにも常軌を逸した落ち込みだったため、B/Bレシオそのものの数字もあまり意味を持たなかった。例えば、2009年6月には1.28というB/Bレシオまで回復してきた。数字だけを見ると受注額の方が販売額よりも多く、景気が良いと思ってしまうが、その時の受注額は12月の半分に過ぎない。まだ十分な回復には至っていなかった。
出典:図2点ともSEAJ
受注額ははっきりした回復途上であるが、販売額は709億3100万円、とまだ十分な値まで回復していない。この数字だけを見ると未来が見えず、2番底が来ると悲観的になるかもしれない。しかし、未来を表わす受注額は回復基調にあり、悲観的に見る方がおかしいともいえる。