Semiconductor Portal

» セミコンポータルによる分析 » 市場分析

10月における世界の半導体製造市場、まだ回復のサインは見えず

世界における半導体製造装置市場の10月の実績がまとまった。10月の世界市場は17億4033万ドルと昨年同期比の半分、51%しかない。前月の23億4321万ドルよりも少ないが、これは3カ月おきの変動ルール(3月をピークに4月、5月と下がり、6月にふたたびピークを迎えるという3カ月おきの周期性)にのっとっているだけでさほど問題ではない。問題は前年の10月の半分しかないという点だ。このデータはSEMIとSEMIジャパン、SEAJがまとめたもの。

半導体製造装置 地域別市場月推移


日本市場だけで見ると、4億3529万ドルで対前年10月実績値の54%だから、ややましだが似たようなものだといえる。最も落ち込みが激しいのは台湾だ。10月の1億4382万ドルという数字は前年10月の8億546万ドルのわずか17.9%しかない。金融市場の締め付けを受けて半導体メーカーが設備投資をぐっと抑えた格好である。

地域別で見る限り台湾における設備投資の縮小は、メガファブのTSMCや2番手のUMCといったファウンドリだけではない。Powerchip Semiconductor(力晶半導体)やNanya Technology(南亜科技)、ProMOS Technologies(茂徳科技)などのDRAMメーカーもこれまでの製造装置市場を支えてきた。下の図からわかるように2007年の地域別製造装置販売額でみる市場は台湾が最大であった。この図は4~10月の累積の数字であり、単月ではないため、台湾の深刻度は日本の比ではない。12月17日の日本経済新聞は、台湾当局がDRAMメーカーの支援を検討していると報道している。


半導体製造装置 販売統計


世界市場全体では10月になって前年同月比での比率の落ち込みが9月は対前月比-40%だったのが、10月になり-49%となり、昨年と比べ少しずつしかも深く落ち込んでいくのが気になる。


半導体製造装置 月別売上推移


(2008/12/17 セミコンポータル編集室)

ご意見・ご感想