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生産稼働率が2009年2Qで21.1ポイント上がったSICASウェーハ統計

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SICAS(世界半導体生産キャパシティ統計)が発表した2009年第2四半期(4〜6月)のデータによると、半導体ウェーハ生産稼働率は上昇していることがはっきりと読み取れる。この統計は8インチ(200mm)ウェーハに換算した数値を使う。2008年の第3四半期(3Q)までは稼働率はほぼ90%を推移していたが、2008年第4四半期(4Q)から大きく違ってきた。

半導体合計


ウェーハ生産稼働率は2009年第1四半期(1Q)の55.6%から第2四半期(2Q)は76.7%に上がった。これは、世界不況の影響が大きく現れた2008年4Qの68.4%を上回っている。しかも生産量の絶対値も4Qに追いついた。2008年4Qは163.1万枚/週だったが、2009年2Qは161.4万枚/週と同じレベルに達した。

生産が回復している要因をチェックするため、MOSICのμm別の実投入数を調べたのが次の二つの図である。MOSICを先端プロセス(0.12μm未満)と既存プロセス(0.12μm以上)とに分けてみる。先端プロセスでは、生産能力を2009年1Qは108.1万枚/週から108.2万枚/週とほとんど変えていないが、既存プロセスの生産能力は1Qの86.1万枚/週から78.1万枚/週に落としている。

ところが実投入数でみると、既存プロセスを絞り込みすぎた様子がはっきりわかる。先端プロセスでは1Qの75.3万枚/週から2Qに94.8万枚/週へと126%増加したが、既存プロセスでは1Qの35.7万枚/週から2Qには51.2万枚/週と143%も伸びた。つまり既存プロセスのウェーハを1Qでは絞り込みすぎたため2Qに43%伸ばしたことになる。


μm別のMOS生産能力

μm別のMOS実投入数


ただし、2QにおいてMOSICが全て回復したというわけではない。既存プロセスのウェーハを0.3μmを境にして回復の様子を別の観点から見てみると、0.3μm未満は4Qよりも2Qの方が増えているのに対して、0.3μm以上のウェーハはまだ4Qレベルまで回復していない。03.μm未満ウェーハは4Qが25.7万枚/週で、2Qには30.7万枚/週に増えた。0.3μm以上のウェーハは4Qの24.8万枚/週が2Qになっても20.5万枚/週にとどまっている。

ウェーハサイズ別に見てみると、200mm未満のウェーハの生産能力は2Qでもさほど変わらないが、8インチウェーハを絞った形が見える。実投入数も8インチウェーハの分が伸びている。


ウェーハサイズ別のMOS生産能力

ウェーハサイズ別のMOS実投入数

(2009/08/26)

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