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中国の内需拡大策により生産活動は順調、早くも供給過剰の懸念出始める

「中国のエレクトロニクスと半導体」2009年7月号によると、中国市場は景気回復の勢いを受け、早くも供給過剰の心配が出始めている。中国政府の内需拡大策である家電下郷政策や「以旧換新」(旧製品を新製品に取り換えること)政策が功を奏し、6月のカラーテレビ、冷蔵庫、パソコン、携帯電話、液晶テレビは対前月比で増加傾向にある。

パソコン生産台数推移


農村から始まった中国政府による内需拡大策は、農村と都市部の格差を解消する方向に向かっている。農民の消費概念が都市部の人の概念に近づいていると、レポートは分析する。福建省のある農民は、これまでネット喫茶に出かけインターネットから各地の農産品情報を得ていたが、家電下郷策を利用してパソコンを購入したことで自宅に居ながらにして情報収集できるようになったとしている。

中国国内向けの家電やエレクトロニクス製品、自動車などに向けたIC半導体も増えている。中国市場で使われる半導体のうち、中国でチップの組立やテストを行うものが多く、生産個数は5月に33億4500万個だったが、6月になると44億4600万個と大きく増え、過去最高の生産数量となった。


中国集積回路生産個数推移


中国の家電などに使われるICは中または低級品が多いため、日本から中国に輸出される個別半導体や4〜8ビットのマイコンなどの中または低級半導体も増えているとしている。ただし、この状態が長く続くと見るのは危険だという。というのは、中国メーカーはチャンスとみるとみんな一斉に生産増強するため早い時期に反動が来る可能性があるからだ。


セミコンダクタポータルのコンテンツパートナー、アレグロ インフォメーション・インク(以下アレグロ)による、中国のエレクトロニクス・半導体・液晶分野のマーケット情報です。アレグロは、同社独自の調査及び、中国国家統計局、CCID、中国電子報、経済参考報、国際金融報などから得たフレッシュな情報をベースに、特に中国のIT、エレクトロニクス、半導体・液晶関連の情報収集・提供、分析、調査を行っています。今回、提供したのは、同社の月刊レポート「中国レポート:Electronics and Semiconductor China」の2009年7月号からの一部抜粋です。


(2009/08/12)

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