Semiconductor Portal

HOME » セミコンポータルによる分析 » 市場分析

半導体シリコンウェーハ面積の回復は急速、急な落ち込みの反動か

米SEMIは、2009年第2四半期における半導体シリコンウェーハの世界出荷枚数を面積に換算すると、第1四半期よりも79%増の16億8600万平方インチに増えたと発表した。2008年の第4四半期と2009年第1四半期の落ち込みが急だった反動か、回復の勢いは急である。

半導体シリコンウェーハ 世界出荷枚数(面積換算)


SEMIのこの発表には太陽電池用のシリコンウェーハは含まれていない。半導体ウェーハは、鏡面ウェーハ、エピウェーハ、ノンポリッシュドウェーハを集計したものである。対前期比では急激な伸びを示したものの、対前年同期比では27%減のマイナスであり、回復にはまだ至っていない。ただし、回復基調にはある。

今回の世界同時不況からの回復のシナリオを探ってみると、実は2000年のITバブルからの回復に比べるとずっと早くなりそうだ。ITバブルの時は、2001年第3四半期を底として、落ちる前の2000年第4四半期のレベルに戻ったのが2004年の第1四半期になってからだ。実にドン底から回復まで2年半もかかっている。

今回の回復にはいろいろな見方はあるものの2010年末までには回復するだろうという見方が現実的だ。ドン底であった2009年第1四半期から、回復予定を2010年第4四半期だとすると、1年9カ月で回復することになり、前回のIT不況よりはむしろまだましということになる可能性が強い。ただ、このデータはあくまでもシリコン面積だから、チップの生産個数に匹敵し、生産額とは違うことに注意する必要がある。このため、売り上げベースでの回復時期とは若干のズレがある。

(2009/08/05)
ご意見・ご感想