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世界の半導体トップ20社は対前期比21%増を示した第2四半期実績

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米市場調査会社IC Insightsは2009年第2四半期の半導体メーカートップ20社ランキングを発表した。半導体メーカー上位20社の合計売上は、対前期比で21%増と大幅に伸びた。それによると、第1位、2位はこのところずっと変わらず、米インテル、韓国サムスンが占め、3位には東芝が残った。

2009年第2四半期の半導体メーカートップ20


もっとも急速な伸びを示した企業は台湾のTSMCであり、前期比93%の22億3800万ドルで5位に入った。TSMCは第3四半期にはさらに第2四半期の20%増になると見込んでいる。この勢いをさらに加速するため同社は、2009年の設備投資額を当初の19億ドルから23億ドルへと上方修正した。2009年の上半期に3億9000万ドルしか設備投資しなかったため、実に19億ドルを下半期に投資することになる。

次に急激な伸びを示したのは韓国のハイニックスであり、40%増を示した。フラッシュメモリーとDRAMの価格が戻ってきたことが大幅な売り上げ増に効いたという。IC Insightsは平均単価(ASP)の上昇が2009年後半も続くとみている。メモリーメーカーが設備投資の大幅な削減を行ったためである。

3番目に大きな伸びを示した企業は、台湾のファブレスMediaTekであり、33%増を示した。同社は不況による外出控えが奏効し、デジタルテレビ向けICの売り上げと、コアであるワイヤレス通信ビジネス向けが伸びたとIC Insightsは見ている。

逆に、もっとも大きく沈んだのは富士通で、第1四半期に17位にランクされていたが、9%減となり圏外(22位)に後退した。スパンシオンの販売も手掛けている同社は、フラッシュメモリーと自動車用ICの落ち込みが大きいとしている。

その次がフリースケールで、対前期比-2%だった。このため第1四半期の18位から20位に沈んだ。現在、事業の見直しを行っており、自動車エレクトロニクスがそのカギを握るとみられている。

3番目の企業はAMDで、インテルが12%成長したのに対して、わずか0.6%しか伸びなかった。第3四半期の見通しも悪く、第2四半期より若干伸びる程度しか期待できないとしている。

日本企業は、平均伸び率21%よりも軒並み低い。東芝が15%増、ルネサスは12%増、ソニー7%増、NEC16%増、パナソニック8%増、という結果である。第1四半期から第2四半期にかけて円ドルレートはやや円安に振れたため、NECの例では円ベースで21%増という結果である。

これらトップ20社の結果は、2009年第1四半期が前同期比で16%減という落ち込みだっただけに、急速なV字回復を示している。とはいえ、IC Insightsが当初予測していた2009年の成長率17%減という見方は変わらないとしている。2009年の後半は回復基調にあるが、本格的回復は2010年になる見込みである。


(2009/08/03)

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