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中国の半導体、1〜3月は個数ベースで14%減、内需拡大策で家電・3G携帯に期待

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中国の半導体産業が2008年、対前年比0.4%減の1246億8200万元(1兆9949億円)と20年間で初めてのマイナス成長を記録した。数量ベースでは1.3%増の微増であった。2009年の1〜3月期の金額のデータはまだないが、個数では対前年同期比で14%減と言う大幅なマイナスを記録した。

2008年における中国の半導体産業の特徴は、デザインハウスやファブレスなどの設計産業が金額ベースで4.2%増だったが、チップ製造は1.3%減、組み立てテスト産業は1.4%減とマイナスに振れたことである。中でも中国における最大の分野は組立テスト産業であり、この分野でのマイナスが全体をけん引したといえる。


中国半導体産業 2008年売上・伸び率


ただし、今後に向けての内需拡大策「家電下郷」政策の推進と、第3世代(3G)の携帯電話事業のライセンス発行によって、市場回復に向けた期待が高まっている。「家電下郷」は、昨年段階における対象製品がカラーテレビと冷蔵庫、洗濯機、携帯電話の4種類だったが、新たにパソコンとエアコン、給湯器、バイクの4品目が追加された。年間1000億元(1兆6000億円)以上の家電売上規模の市場になる。また3Gに対しては、通信キャリヤ大手3社のインフラ投資が2009年に1700億元(2兆7200億円)に達する。3年間では中国すべての都市部をカバーするためのインフラ投資は4000億元(6兆4000億円)に上る。


中国PDP-TV生産台数推移


家電製品ではプラズマテレビの急速な伸びが注目されている。1月に前年同期比383%増の23万台、2月も好調で同370%増の37万台と急伸している。これに対して液晶テレビは1,2月とも前年比でマイナスとなっている。ただし、台数の絶対値は液晶が1月162万台、2月115万台とプラズマを圧倒しているため、プラズマテレビの今後に対して中国の市場調査会社はむしろ否定的な見方をしている。日本におけるプラズマテレビよりも液晶テレビの方が伸びそうだとの動向も中国におけるプラズマテレビの成長を否定している。いかにも中国らしい見方である。


セミコンダクタポータルのコンテンツパートナー、アレグロ インフォメーション・インク(以下アレグロ)による、中国のエレクトロニクス・半導体・液晶分野のマーケット情報です。アレグロは、同社独自の調査及び、中国国家統計局、CCID、中国電子報、経済参考報、国際金融報などから得たフレッシュな情報をベースに、特に中国のIT、エレクトロニクス、半導体・液晶関連の情報収集・提供、分析、調査を行っています。今回、提供したのは、同社の月刊レポート「中国レポート:Electronics and Semiconductor China」の2009年4月号からの一部抜粋です。


(2009/05/22 セミコンポータル編集室)

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