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06年のEMS、ODE市場、15%増の2,560億ドルに

Foxconn社EMS首位継続、Asustek社ODMで首位に

 2006年の全世界の契約型製造業市場は2005年の2,235億ドルから15%増の2,560億ドルとなったことがiSupply社から発表された。上位EMS社間の合併により上位10社の売上高合計が始めてEMS市場の70%を超え、平均20%の売上高増となった。

 また、iSupply社によると、台湾のODM社の収入は、成長率でEMS社を再度上回り、仮の評価で、全ODM業界の売上高は、2006年999.6億ドルとなり、2005年の856億ドルから16.8%の増加となった。

2006年EMS/ODE Top10売上高と前年比成長率

 EMS市場では、2006年も前年に続いて、台湾のFoxconn社が首位となり、前年より44%増の売上増となった。ODMでは、Asustekが62%増と大幅伸張となり、2005年の2位から1位になり、Quanta Computerを抜いた。
 iSupply社は、しかしながら、売上高ランキングだけでは、エレクトロニクス・サプライチェーンにおける契約型製造業を包括的に評価する基準は不十分であるとして、下記の分析を述べている。

  1. 2006年、EMS市場全体の成長はFoxconn社による売り上げ増が大半を占めており、他の企業は10%台の成長
  2. Celestica社(EMS)は、2006年4%の成長であるが、会社自体はいろいろな問題(顧客の損失、経営者の内紛、非効率的な工程、収益の問題、会社のリストラ)を抱えており、2007年には7%程度の減収の可能性がある。
  3. Solectron社は5四半期連続増収であるが、ミルピタス市のEMSのプロバイダも同じく5四半期連続して在庫を増加させており、2005年8月から同社在庫レベルは44%急上昇している。加えて、同社の顧客である、Cicso Systems社が2007年中に同社のスリム化の一環として在庫をEMS社に打つ句予定で、Solectron社の在庫がさらに2.5億ドルから、3億ドルほど積み重なることが予想される。
  4. Jabil Circuit社、Sanmina SCI社、Elotek社も同じく2006年経営戦略に関する問題で苦戦している。

ODM関連各社も同様の問題を抱えているという。


<用語参照>
EMS (Electronics Manufacturing Service)
アウトソーシングの一種で、メーカーからの受託によって電子機器の生産を専門に行うサービスのこと。OEM(Original Equipment Manufacturer)に似ているが、製品の設計段階から関わるケースもあり、よりメーカーとの結びつきが強くなっている。EMSの企業の多くは、過剰設備となっている工場を安く購入し、そのメーカー以外からも広く受注することで回転率を上げている。また、パソコンなどの情報機器は共通部品が多いため、同じ部品を大量購入することによるコストダウンも図っている。従業員ごと工場を金融機関に買い取らせ、それを賃借して操業するなど、自社工場を所持するリスクを回避している企業も多い。(出典:ビジネス用語辞典|Wisdomより)

OEM/ODM (Original Equipment Manufacturer / Original Design Manufacturer )
相手先のブランド名で製造することをOEM、設計から製造までを手がけることをODMと呼ぶ。OEMでは製造する製品の仕様や設計を相手先が決定するが、ODMでは設計から製品開発を行う点が異なる。企業などにとっては、生産コストを下げるために、製品の一部の部品を他の会社や海外企業などに委託して、必要な分量だけOEM/ODM供給を受けるメリットは大きい。特に、液晶などはディスプレイなどに限らず、携帯電話やPDAなどのさまざまな機器に必要となるものだが、開発や設計できる企業が少ないため、OEM/ODM供給を受けているケースが多い。(出典:ビジネス用語辞典|Wisdomより)

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