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06年8月半導体売上高史上最高額の205.4億ドル

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一方で懸念される米国の先端半導体生産能力

 2006年8月の半導体売上高は前年同月比10.5%増の205.4億ドルとなり、3ヶ月平均値では史上最高値となったことがSIAより発表された。前月比で2.1%増。これまでの最高値は2005年11月の204億ドルであった。

3ヶ月平均半導体売上高の推移


世界半導体売上前月比推移


 今回の売り上げ増の牽引役はDRAMであるとSIAは述べ、2006年8月のDRAMはPC向け需要が好調に推移したことから、前月比7.5%増、前年同月比31.4%増となった。またマイクロプロセッサの売上高は前月比2.1%増となったが前年同月比では6.8%現となった。マイクロプロセッサにおいては、熾烈な価格競争から、販売量では躍進したものの、価格低下が著しく、1年半の間に平均単価18%減をもたらした。
 NANDフラッシュなどコンシューマ向けの半導体売上は、これからのクリスマス商戦を控えて、依然として強い延びを示している。ガソリン価格が下落したことで消費者の需要意欲を伸ばしていることからコンシューマ製品の伸びが期待できると、SIAでは見ている。コンシューマ向け半導体売上は全半導体売上の過半数を占めている。携帯電話、MP3プレーヤー、デジタルカメラなどの新製品には価格全体の平均40%レベルを半導体が占めており牽引役として期待されている。

 ファブ稼働率については、依然として好調に推移している。VLSI Research社によると、第二四半期の稼働率は92%であり、今年も95%レベルで推移するものと見られている。300mmの新規ファブが次々と稼動しており、全体生産量の4分の一を占めるようになっている。これらの新規ファブが立ち上がりながらもファブ全体の稼働率は高レベルを維持している。
 地域別に見ると、米国が38.3億ドル、欧州が32.1億ドル、日本が39.2億ドル、アジアパシフィックが95.8億ドルとなっている。米国は前年同月比18.3%増、前月比3.6%と伸びた。アジアパシフィックは前年同月比10.5%増、前月比2.0%増となっている。


Month-to-Month Sales

出典:SIA


 一方で、SIAは、米国の先端半導体生産能力が急激に衰退していることに対して警鐘を鳴らしている。5年前米国の先端半導体生産能力は世界全体の35%を占めていたが、2006年には11%に急落している。
 この下降を食い止める策は唯一、米国に新規ファブを建設することしかないとSIAでは述べている。SIAでは米国政府に対して、シンガポール、カナダ、インド、英国、日本など他国と比較して不利とされている研究開発費税額控除に関する措置の早期実現を強く主唱している。 米国の研究開発税額控除は4%であり、シンガポールでは24%となっている。SIAのPresidentのGeorge Scalise氏は「過去10年間で米国と他国における新鋭ファブ投資額は10億ドルの差が既にできている。早急に税額控除法案の制定を進めることが必要である」と述べている。

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