米国連邦R&D予算、2008年は前年比1.3%増
軍需・航空機開発重視、その他分野は実質上削減
米国連邦政府の2008年度大統領予算は、昨年米国が打ち出した、米国競争力強化イニシアティブ(American Competitiveness Initiative:ACI)計画を受けて、物理科学研究領域に連邦政府からの支援増加策となっている。
しかし、この大統領予算案は、主として兵器開発や航空機開発に焦点が当てられており、これらの分野での連邦政府予算は増加しているものの、反面、他分野における予算は削除されている。
米国連邦政府の全体の研究開発予算は、2008年、1,430億ドルと増加している。しかし、ACIの強化を念頭としながらも、軍需・航空機関係以外の分野は2.1%減の555億ドルとなり、4年続きの前年比減となっている。
5月、米国議会は、大統領予算を210億ドル上回る予算決議を承認した。

米国の研究開発予算の3分の2は産業界からの資金による。産業界からの支援は開発費に、連邦政府からの支援は、研究費に充てられている。
(出典: AAAS R&D Budget and Policy Programより)
世界の研究開発費において、依然として、米国は首位となっているが、近年、韓国、中国など、アジアの国々の研究開発費増加が著しい。