ルネサスとNECエレが事業統合する方向で親会社含め、5社が協議へ
NECエレクトロニクスとルネサス テクノロジの半導体事業を統合する方向で、それらの親会社である日本電気、日立製作所、そして三菱電機を含めて5社が協議することに合意した。ルネサス、NECエレとも2009年3月期の決算は赤字の見通しで、事業再編を模索していた。両社の統合に関して2010年4月1日を目途に統合することを検討するという。

まず、市場環境が依然として厳しいという、5社の認識に基づき、ルネサス、NECエレそれぞれがまず決定済みの構造改革を進め、経営体質を改善した上で統合するというシナリオを描いている。発表資料によると、「新会社の上場を維持することを検討の前提とします」と述べていることは、存続会社をNECエレにするという意味である。ルネサス設立という持分法による半導体事業の切り分けによる税制優遇を受けていた関係上、ルネサスは上場できないからだ。
しかし、具体的な統合イメージはまだない。オープンなソフト開発をそれぞれ持つ両社のマイコン事業を統合することで、顧客やパートナー企業が今後どのようになっていくか、まだわからない。SHコンソシアムやNECエレのソフト開発のパートナー企業としては、マイコン開発を今後ルネサスとNECエレと両方にリソースを割かなければならないのか、これまで開発してきたさまざまなソフトの資産はそれぞれに活用できるのか、不安要素も多い。加えて、プロセッサのコアやIP資産の相互活用ができるのか、あるいはする方向で行くのか。これからの話し合い次第で、市場は本当に広がるのか、あるいは縮むのか、予断を許さない。
また、上場会社としての親会社の株式比率はどのくらいを想定しているのか、半導体専業メーカーとしての位置付けはどのようになるのか、これから決めるべきことは多い。
プレスリリース
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