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中国のIC設計・製造・組立の現状と世界

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世界レベルでみると、設計はSoC 設計が主流であり、製造では微細化が進み、パッケージングと組立が一体になりつつある。

中国レベルでは、世界先進の設計に追随し、世界と同等の製造レベルに達したが、テスト技術は地場メーカーの取組みが遅れているため、まだ世界レベルとの差が大きい。

1)設計技術
 中国のIC 設計分野では、杭州士蘭(2006 年の売上、123 億円)、珠海炬力(2006 年の売上、202 億円)中国華大(2006 年の売上、180 億円)などの専業メーカーが台頭し、設計技術は0.25um〜0.18um の設計能力に達し、現在は先端技術で0.13um に取り組んでいる。
EDA ツールでは、中国華大が自社開発の「熊猫九天シリーズ(Zeni シリーズ)」などを含めたEDA ツールソリューションを成功させた。しかし、世界レベルにはまだ遠い。IP コアでは、中国の研究開発量が大きくなく、インターフェイスの標準が不一致、再利用の組織が不健全、知的所有権の保護が欠如のため、中国独自IP の推進が極めて困難である。また、海外勢は低価格か無料のロイヤル費を中国メーカーに提供しており、中国勢のIP コアの開発発展の邪魔になっている。

2)製造技術
2003 年、中国の8 インチウェハ製造は世界市場の10〜12%のマーケットシェアになって、中国半導体製造の初期発展段階となった。SMIC、上海華虹NEC などの大手が大規模な生産体制をつくり、中国の半導体産業が注目を集めていた。現在、製造プロセスの最先端の主流は0.18um となっている。
2004 年9 月に、SMIC は12 インチ0.1um プロセスの生産ラインを北京で立ち上げ、現在量産体制中であり、中国にとっては最高レベルの生産ラインである。しかし、この製造ライン使われている製造装置は全部海外からの輸入装置である。
このため、「第11 期5 カ年計画(2006 年〜2010 年)」期間では、中国当局は半導体製造装置の重大研究項目を策定し、100nm のエッチング装置、露光装置、イオン注入装置など関連分野の研究を促進する。 既に一部の成果が出ている。

3)パッケージング技術
現在、世界レベルではパッケージングはハイスピード、高信頼性で且つ、大規模生産の状況にある。一方、中国では、独自研究開発が進められて、ある程度の成果が実現している。典型的なものは、銅陵三佳公司が研究開発したパッケージングモジュールとパッケージングプレス装置、振華集団建新子会社が研究開発したパッケージングプレス装置、中電集団45 所が研究開発した全自動パッケージング装置などがある。
 現状の中国地場半導体パッケージングメーカーは、基本的に外資と台湾系企業が中心となっている。

4)テスト技術
中国は、20 世紀の80 年代後半に、中国製半導体テスト装置の自社開発に取り組んできた。中国製半導体テスト装置は一定の発展水準にあるが、世界レベルに比べるとまだ大きな格差が生じている。中国製半導体テスト装置の中で、中小規模が80%を占めている。大規模の半導体テストについて、中国勢の取り組みが空白となっており、完全に輸入に依存している。


2008−2010 年中国半導体市場におけるプロセス別製品需要構成比と、2007−2010 年の世界半導体市場の見込み
2008−2010 年中国半導体市場におけるプロセス別製品需要構成比と、2007−2010 年の世界半導体市場の見込み


セミコンダクタポータルのコンテンツパートナー、アレグロ インフォメーション・インク(以下アレグロ)による、中国のエレクトロニクス・半導体・液晶分野のマーケット情報です。アレグロは、同社独自の調査及び、中国国家統計局、CCID、中国電子報、経済参考報、国際金融報などから得たフレッシュな情報をベースに、特に中国のIT、エレクトロニクス、半導体・液晶関連の情報収集・提供、分析、調査を行っています。今回、提供したのは、同社の月刊レポート「中国レポート:Electronics and Semiconductor China」の2007年6月号からの一部抜粋です。

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