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台湾TSMC、1月から過去最高の月次売上額を6月まで連続計上

台湾TSMCの6月の売上額が2078.7億台湾元(1元=約4.8円)と、6月の史上最高値を計上した。前月比では9.5%減だが、前年同月比では32.9%増となっている。1月〜6月の累計では前年同期比28%増の1兆2661.5億元とこれも過去最高の売上額だ。四半期ベースの粗利益、営業利益などの詳細は来週発表される。

月次売上額 / TSMC

図1 TSMCの月次売上額の推移 出典:TSMC


台湾の主要IT企業は毎月の売上額を公表することになっている。このため売上額だけは月次ベースで早めに公表される。図1に示すように、TSMCの月次売上額は1月からずっと22年、23年を上回っている。前月比では2カ月連続マイナスだが、全く心配いらない。特に今年は生成AI向けのNvidiaのGPU製造に追われている状態だったために、その発注量のバラつきと見られるからだ。

またNvidiaのGPUは毎年新製品を出してくるが、そのたびに集積度は上がり、その性能は5〜6倍向上しているため、単価もほぼ2倍ずつ上げている。TSMCが手掛けているプロセスノードも毎年少しずつ微細ノードを採用すると共に先端パッケージ技術のCoWoS(Chip on Wafer on Substrate)上にHBMを搭載する構造にしている。NvidiaとTSMCは1995年以来の緊密な関係であり、Samsung FoundryやIntel Foundryはそう簡単には食い込めない。

また、TSMCはここ数年こそ設備投資を増やしているが、本来むやみに投資を増やさない企業である。設立当初から、海外企業に出資を仰いできており、身の丈に合った投資を行ってきた。

来週、TSMCが正式に第2四半期の決算報告を行い、次四半期見通しも発表される。JASMをはじめ日本における第二工場についての言及、あるいは第三工場の発表があるかもしれない。

(2024/07/12)
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