HBMの成功の次はNANDフラッシュへ、と成長へ意気込むSK hynix
SK hynixは、次世代スマートフォン向けのストレージとなるNANDフラッシュの新規格Zoned UFS(あるいはZUFS 4.0)製品を開発した。エッジAI向けのストレージとして、2024年第3四半期に量産する計画である。経時劣化を改良し製品寿命は40%長くなるという。SK HynixはHBMの成功に続き、NANDでもAI応用メモリでの成長を狙う。
図1 SK hynixの次世代スマホ用NANDフラッシュのZoned UFS 出典:SK hynix
hynixが開発したZoned Universal Flash Storage(ZUFS)は、データを効率よく管理するNANDフラッシュ製品。OS(Operating System)とストレージ間のデータ転送速度を最適化し、エッジAI向けに開発した技術だという。UFSは一般的なカメラやスマホなどに採用されているNANDフラッシュに使われている規格。
ZUFS技術は、特性に応じてデータを異なる領域に分類し格納する技術。従来のUFS技術とは違い、同様な目的と頻度のデータをグループ分けして別々の領域に格納することで、データ転送速度を上げ、例えばスマホから一つのアプリを走らせる速度を、長い期間利用すると約45%短縮するという。同じメモリセルへの書き込み(W)読み出し(R)を避けられるため、WRの繰り返しによる劣化を4倍以上改善できるとして、製品寿命が40%伸びるとしている。
同社は、この技術を生成AIがブームになる前の2019年から世界的なプラットフォームサービス企業と共同開発してきており、その顧客と共にZUFS 4.0の規格をJEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)標準として認証されたとしている。
巨大テック企業は、自前の生成AI技術を搭載したデバイス製品に注力しているため、もっといろいろなメモリの選択肢を望んでいる、とSK hynixのN-Sコミッティ委員長であるAhn Hyun氏は語っている。さらに、大手ICT企業とより強固なパートナーシップを築き、適切な時期に要求を満たす高性能なNANDソリューションを提供することによって、グローバルなAIメモリメーカーとしての地位を強固にしていく、と強い決意を述べている。