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大きく変容するセミコンジャパン2021ハイブリッド

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セミコンジャパン(図1)が大きく変わりつつある。元々は、半導体製造装置や半導体製造に必要な材料を展示するイベントであり、半導体メーカーの製造エンジニアやそのマネージャーなどが顧客であった。それもジャパンというからには日本の顧客がメインであった。ここ十年くらいは顧客、サプライヤーを含め海外からの来場者が多かった。

図1 セミコンジャパン2021が開催された東京ビッグサイトに入り口

図1 セミコンジャパン2021が開催された東京ビッグサイトに入り口


こういったセミコンジャパンが、新型コロナによる影響で、最大14日間の隔離などの措置に制限され海外からの顧客は減った。日本の半導体メーカーにおける製造エンジニアの数も減り、セミコンジャパンの顧客が増えることはなかった。このためオンライン開催が通常になったが、今回は久しぶりのリアルを含めた開催であった。もちろん、マスクや消毒、三密を避ける、といった対策は言うまでもない。

日本半導体メーカーのプロセス撤退により、セミコンジャパンを主催するSEMIジャパンは半導体の応用にも力を注ぎ、IoTやカーエレクトロニクス、AIなどの展示も進めてきた。今回もソフトバンク(図2)の5GネットワークのデモとしてのVR/AR(仮想現実/拡張現実)をベースにしたメタバースの紹介などが展示された。しかし、来場者は前回の約半分で、製造装置や材料の顧客は少なかった。

図2 ソフトバンクの展示ブース

図2 ソフトバンクの展示ブース


今回気が付いたことは、製造装置メーカーは顧客であり、製造装置に使うバルブや流量計(マスフローメーターなど)、ロボット搬送ハンドラー、リニアガイドなど機械系の出展企業が多いと映ったことだ。つまり、大手半導体製造装置メーカーが顧客であり、製造装置向けの部材や材料のサプライヤーが展示する、という構造に変化しつつあるのだ。製造装置メーカー最大手の東京エレクトロン(TEL)は、製造装置に実機は展示せず、商談スペースをふんだんに取る、という世界標準の商談の場として利用している。


図3 東京エレクトロンのブース

図3 東京エレクトロンのブース


部材関係では、ウェーハ搬送のFoupボックスのロードポートや静電チャック、液体材料気化供給装置、ペルチェ冷却器、超音波流量計など、製造装置メーカーに納める部材メーカーの展示が多かった。もちろん、東京エレクトロンや日立ハイテク、SCREEN、キヤノンなどの装置メーカーもブースは出しているが、製品展示は昔からもそうだったがほとんどなく、ポスター展示だけにとどまっている。従来の顧客だった国内半導体プロセスエンジニアの来場が少ないからだ。

もちろん、製造装置メーカーが部材サプライヤーの顧客に徹している訳ではないが、新製品のポスター展示はあるが、製品説明よりもブランディングを重視しているようだ。現実にスーパーシアターと呼ばれる講演会場では、TELがSCREENと共にスポンサーのロゴを見せていた(図4)。


図4 セミナー会場での製造装置メーカーのロゴ

図4 セミナー会場での製造装置メーカーのロゴ


セミコンジャパンは、製造装置メーカーを顧客とする展示会に変わりつつある。しかし、東京エレクトロンのように半導体のその先のトレンドを知ろうとする製造装置メーカーにとっては、AI、5G、IoT、メタバースなどの未来必要な半導体を知り、それに向けた製造装置を開発するという意味で、ソフトバンクなどのITサービス業者のブースは、これからますます重要な役割を果たすようになるかもしれない。

(2021/12/23)

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