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ドイツIndustry 4.0のプラットフォームSoCはArmではなくRISC-Vで

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ドイツの教育研究省(BMBF)は、Industry 4.0や、自動運転車、医療ソリューションなど信頼性の高い電子機器を低コストで作るためのプロジェクト「Scale4Edge」を推進する。Infineon Technologiesの元で20社からなるScale4Edgeエコシステムは動きだした。プラットフォームとなるプロセッサはRISC-Vコアを主軸とする。

Scale4Edge-Ecosystem

図1 RISC-Vを使うScale4EdgeエコシステムでIndustry 4.0を推進 出典:Scale4Edge


ドイツ連邦の教育研究省(日本の文部科学省に相当)は、Scale4Edgeプロジェクト(図1)に1730万ユーロ(約21億6000万円)を提供する。IoT端末に近いエッジで動作するコンピューティングのバリューチェーンを構築するために必要な知識を集積する。信頼性の高いIoTデバイスのCPUとしてRISC-V(リスクファイブと読む)プロセッサコアを選んだ(参考資料1)。しかもRISC-Vを使った半導体を設計するのは、産業用・自動車用半導体に強いInfineon Technologiesである。

ArmがNvidiaに買収され、一般ユーザーがArmコアを使いづらくなっている状況下で、ドイツがいち早く、無料のCPUコアRISC-Vを採用したことは、その普及につながるだろう。というのは、このScale4Edgeプロジェクトにはすでに20社が加わりエコシステムを構成しているからだ(参考資料2)。

RISC-Vへの流れは、1チップにCPUとメモリや周辺を集積するだけではなく、GPUやDSP、ISPなどさまざまな異種プロセッサを載せるチップが開発されるようになってきたことがその背景にある。RISC-Vの最大の特長である統一された命令セットISA(Instruction Set Architecture)を使えることは、価値のあるSoCを設計する上で開発期間を短縮するという大きなメリットがある。実際、Western DigitalやRambusはRISC-VをCPUコアにしたチップを設計することを表明している上に、CodasipはRISC-VのIP開発やシミュレーション、検証などのツールを手掛ける。Armを買収したNvidiaでさえ、RISC-Vを使ったコントローラを試作している。RISC-Vのエコシステムは徐々に広がりつつある。

中国勢がArmコアではなく、RISC-VコアでSoCを設計することは間違いなく増えていく。ドイツがRISC-Vを採用することはRISC-Vコンソシアムにとっても力強い追い風となりそうだ。Linux OSとRISC-Vコアは、半導体チップを自主開発する上で今後欠かせなくなる可能性は高い。

参考資料
1. Scale4Edge:About Scale4Edge
2. Scale4Edge:Scalable infrastructure for edge computing

(2020/10/08)

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