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製造装置、2009年もマイナス成長とSEMIの見通しだが、材料市場は沈まない

SEMICON Japanに先駆けて開催された記者会見においてSEMI会長のStanley Myers氏は、来年の半導体製造装置市場の見通しを対前年比21%減の243億ドルに落ち込むだろうとの見方を示した。2008年の見通しも2007年の428億ドルから28%減の301億ドルに落ち込むため、2年連続2ケタのマイナス成長になるだろうとした。2010年にようやく318億ドルに回復すると述べた。

SEMI会長 Stanley Myers氏


特に、落ち込みが激しかった地域は台湾で、2007年の107億ドルから2008年56億ドル、2009年には40億ドルにまで絞り込むと見ている。日本市場はそれほどでもないがやはり、2007年の93億ドルから2008年74億ドル、2009年54億ドルに減少する。どの地域も回復はおそらく2010年になるだろうとしているが、確かな根拠はない。予測では結果的に2008年、2009年、2010年とも日本の投資が最も多くなりそうだ。

直近の景気の悪さは誰もが認識しているものの、かつてないほどの景気後退がいつまでも続くとは考えられないため、Myers氏は個人的な意見だがと前置きした後で、9〜18カ月のちには回復していくだろうと述べた。その根拠は半導体デバイスがかつて考えられないほど、産業、医用、自動車、通信などいろいろな分野に広がっていっており、絶対数量が大きく減ることは考えられなくなってきているからである。

SEMICON Japanそのものは、12月3日から開幕し、出展社数1476社で昨年より72社少なく、小間数は4450小間とこれも昨年の4602小間を下回った。最近の景気後退を受け出展社が下回ったものの、SEMICON Japanは幕張メッセ全館を占めるほどの大規模な展示会であるため、半導体製造装置産業が低迷あるいは斜陽産業であるということではない。

一方、半導体材料市場は2008年6%増の451億ドルに成長し、2009年でさえ447億ドルとほぼフラットな予測をしている。材料は使用量と関係し、材料メーカーは半導体メーカーにも製造装置メーカーにもビジネスできることから急激に落ちることはない。しかも装置産業は資本投資(キャピタルインベストメント)ビジネスといわれるほど、半導体メーカーの設備投資に依存するが、材料はむしろ消耗品であり、半導体メーカーにとって財務的に問題のないビジネスである。材料市場は2010年には483億ドルに伸びると予想されている。

2009年の落ち込みは半導体デバイスのマイナス成長予測に基づいており、2008年の初めには2008年はアナリスト企業8社の平均で8.2%伸びると予想されていたが、直近の予測では平均1.1%と厳しくなったため、製造装置への投資絞り込みが実行された形になっている。


(2008/12/02 セミコンポータル編集室)

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