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米国政府、AIと量子技術に10億ドル以上を投資、金額少ないとの声も

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米国連邦政府は、AIや量子情報科学(QIS)、5G通信などの先端技術を使った国内経済を刺激するため10億ドル以上を12の研究所に投資する、と発表した(参考資料1)。これらの先端技術は、ヘルスケアや通信、製造、農業、交通、セキュリティでの革新につなげる。NSF(全米科学財団)とDoE(エネルギー省)が担当する。

オバマ政権は、ニューヨーク州立大学のあるアルバニーを2度も訪問し、IT/半導体技術が米国経済を推進すると信じてハイテクを推進してきたが、トランプ政権に変わって以来、アルバニーからGlobalFoundriesが撤退し、SEMATECHは解散した。11月の選挙に向けて、民主党のバイデン候補が製造業を強化することを打ち出し、ここにきてトランプ政権もようやくハイテクを鼓舞する方針に変わってきた。

10億ドル(約1050億円)はNSFが主導するAIの研究所とDoEのQIS研究センターに5年間に渡って投資する。NSFは農業省と組み、1億4000万ドルを7カ所のAIの研究所に与え、機械学習や合成製造技術、高精度農業、予測技術などのAI研究を加速する。NSF主導のAI研究所は全米各地の大学、オクラホマ大やテキサス大オースチン校、コロラド大、イリノイ大アーバナ-シャンペイン校、カリフォルニア大デービス校、MIT(マサチューセッツ工科大)を中心に行われる。来年夏までに3億ドル以上を投入する。また、NSFは3カ所の量子リープチャレンジ研究所に7500万ドルの資金を発表している。

DoEは、QIS研究センターを設立するため6億2500万ドルを5年間にわたり、DoE傘下の国立研究所−アルゴンヌやブルックヘブン、フェルミ、オークリッジ、ローレンスバークレイの各国立研究所−に投資する。各QIS研究所はさまざまな分野の科学や工学の訓練や研究機関ともコラボレーションを組む。民間企業や大学関係からの貢献に対して3億4000万ドルを用意する。QIS研究テーマには量子力学を使ったネットワークやセンシング、コンピューティング、材料などが含まれている。

NSFは、これまでもAI研究に投資してきた長い歴史があるという。今回のNSF主導による7カ所のAI研究所をサポートし、産官学のハブを創出し、これから数十年にも渡る米国の競争力を高めていくとしている。またDoEは、5カ所の研究センターが国立研究所や大学、そして民間企業とのパートナーシップを強めていくと述べている。

すでに米国では民間企業がAI分野で、MicrosoftがOpenAIに10億ドルを投資し、Googleも毎年5億ドルを投資してきている。加えて、中国は製造2025で1兆円以上も投資している。これらと比べると、米国政府の投資額は少ないのではないか、という声もある(参考資料2)。

参考資料
1. White House Office of Technology Policy, National Science Foundation and Department of Energy Announce Over $1 Billion in Awards for Artificial Intelligence and Quantum Information Science Research Institutes (2020/08/26)
2. US pumps $1bn into homegrown AI, 5G and quantum computing, Enterprise IoT Insights (2020/09/10)

(2020/09/11)

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